2022年12月5日(月)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2022年6月29日

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 6月1日、「21 世紀の貿易に関する米国・台湾イニシアチブ」が発表された。これについての台湾側の反応を、6月3日付のTaipei Timesの解説記事が紹介している。

Vitalij Sova / dadao / ez_thug / iStock / Getty Images Plus

 米国と台湾は貿易連携強化に向けた新たな協議体(The new Taiwan-US trade initiative)を発足させることに合意した。これは、米国主導の経済圏構想であるIPEF(インド・太平洋経済枠組み)に台湾が参加できないので、IPEFに代わるものとして構想されたと見做すことが出来る。

 5月の来日時に合わせてバイデンが発足を宣言し、日本を含む14カ国で始動することとなったIPEFについては、メンバー国の対中国考慮から台湾をメンバーとすることは当初から考えられていなかったようだ。

 Taipei Timesの論評は、このような状況下での、米台間の新しい貿易協議体の発足を肯定的に受け止めたものとなっている。

 バイデン政権にとっては、環太平洋経済連携協定(TPP)からの離脱を行ったトランプ政権の決定を元に戻すことは国内的に見て容易ではないようである。そして、このTPPについては中国、台湾双方がほぼ同時期に加入申請したが、今日双方とも棚ざらしのままの状況となっている。

 台湾海峡の戦略上のリスクが高まる中、米国は経済安全保障の観点からも、ハイテク技術やサプライチェーンに強みのある台湾と協力しつつ、覇権を拡大する中国に対抗する構えである。

 米国と台湾は、この新たな協議体をめぐって今月内にワシントンで初会合を開くと伝えられるが、新協議体は民主主義の価値観に基づく貿易・投資ルールを構築するもので、貿易円滑化やデジタル、サプライチェーンにおける強制労働排除など関税を除く11分野が対象になるという。

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