2024年4月20日(土)

新しい〝付加価値〟最前線

2022年8月9日

「湿度」に気をつけるべし

 暑さ指数(湿球黒球温度、WBGT =Wet Bulb Globe Temperature)をご存知だろうか? 単位は気温と同じ摂氏度(℃)だが、気温とは異なり、熱中症を予防することを目的として1954年に米国で提案された指標だ。

 何を表しているのかというと、人体と外気との熱のやりとり(熱収支)だ。このため、温度、湿度に加え、日射・輻射など周辺の熱環境が加味される。東京などの過密都市は、日射・輻射など周辺の熱環境はすこぶる悪いので、高く出る。

 しかし、前述の3要素の内、もっとも影響の大きいものは「湿度」だ。実は暑さ指数70%は湿度で決まる。次いで「周辺の熱環境」が20%。「温度」はたった10%ほどだ。そう、熱中症対策には、湿度をしっかりコントロールする必要があるのだ。

 理由は、人の体温調整機能にある。ご存知の通り、人は汗を放出することにより体温調整する。これは汗を出せば終わりという意味ではなく、体外放出された汗が体表から気化することにより、体表の熱を奪う、いわゆる気化(熱)まで行われて始めて体温を下げることができる。

 高湿度環境下では、汗はなかなか蒸発しない。このため熱を放出できなくなり、熱中症になるわけだ。

 エアコン、クーラーの冷却は、除湿を伴う。このため、有利な状況にあるが、できる限り、温湿度、双方共に注意する必要がある。

日立のグローバルモデル airHome400。国内販売機種にも搭載されているエアコン室内機の熱交換器を凍らせて洗浄する「凍結洗浄」機能を搭載。地球温暖化により、エアコンの高効率使用は、世界的な課題になっている

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