2024年12月2日(月)

新しい〝付加価値〟最前線

2022年8月9日

 猛暑日。夜も熱帯夜。そんな日が続きそうな2022年の夏。となると昼夜連続して、エアコンを付けることも当たり前だ。そんな中、便利なはずのエアコンで苦しむ人もいる。今回は、なぜそんなことが起こるのか、対応するにはどうすべきなのかレポートする。

(AndreyPopovgettyimages)

 まず、パナソニックの2022年の夏のユーザー調査(2022年7月15日発表)で分かったことから。「28℃」。政府が節電方法として呼びかけたエアコンで冷やすべき部屋の温度だ。この28℃をエアコンの「設定温度」と混同している人が実に多い。ただしくは、28℃というのは「室温」。質問の正解率はなんと9%だったそうだ。

 環境省のホームページでは、次のように書かれている。「環境省は、平成17年から地球温暖化対策のため、冷房時の室温を28℃で快適に過ごせる軽装や取組を促すライフスタイル『COOLBIZ(クールビズ)』を推進しています」。

 では「クールビズ」における「室温28℃」とは、どういうことか? まず、「28℃」という数値はあくまで目安だ。「必ず28℃でなければいけない」ということではなく、冷房時の外気温や湿度、「西日が入る」などの立地や建物の状況、室内にいる人の体調等を考慮しながら、無理のない範囲で冷やし過ぎない室温管理の取組をお願いする上で、目安としているものだ。

 事実、冷房の設定温度を28℃にしても、室内が必ずしも28℃になるとは限らない。そういう場合は、設定温度を下げることが必要だ。

室温「28℃」はどこから来たのか?

 では、28℃というのは、どこから来たのか。実は、この温度、法律に明文化されているのだ。「建築物における衛生的環境の確保に関する法律施行令」及び労働安全衛生法の「事務所衛生基準規則」だ。

 この中で、「事業者は、空気調和設備を設けている場合は、室の気温が17度以上28度以下及び相対湿度が40%以上70%以下になるように努めなければならない」と定められている。

 要するに、人がその季節に合った衣類を身につけて事務仕事するときの労働条件のことだ。逆に言えば、28℃は、クールビズ・ウェアが前提となる。クールビズ・ウェアはサマー・ジャケットを含むが、ジャケットを付けて仕事するのが前提なら、もっと室温を下げる必要がある。

 この意図を進めていくと、体感温度で28℃以下ということになる。家で、エアコンを使用する場合は、扇風機を自分に当てると、体感温度が下がる。エアコンだけで28℃にする必要はない。これは節電テクニックとしても使える。また冷感ウェアを着るのも一つの手だ。


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