四国4県を主会場として7月23日に開幕した22年の全国高校総体(インターハイ)は主催する全国高校体育連盟が新型コロナウイルス感染の既定として「新型コロナに感染した選手は参加辞退」「チーム内感染者が発生した場合、感染者と接触のあった最後の日から濃厚接触者の待機期間中、チームは参加を辞退する」との項目を定めている。
静岡代表としてインターハイで7月25日に初戦を迎えるはずだったが、前日24日に部員1人が陽性反応となったため大会規定により直前で辞退へと追い込まれた磐田東サッカー部の悲劇は記憶に新しい。
今年のインターハイでは主催者側から7月25日に3競技で3校、8月1日に9競技で23校、8月5日に4競技で9校、8月8日に7競技で11校と連日にわたって新型コロナウイルス感染症による出場辞退校が発表され続けている。これだけの数にのぼる高校で多くの部員たちが新型コロナによって参加辞退に追い込まれ、涙をのんでいると考えると胸が締め付けられるような思いだ。
一度きりの高校生活にどうチャンスを与えるか
高野連を含む夏の甲子園大会主催者が今回導入した新型コロナの「救済措置」を参考に高体連など高校スポーツにかかわる他の組織も、高校生部員たちの誰もが納得できる共通ルールの整備を図ることは急務と言えるだろう。
ウイルスと共生する「ウィズコロナ」のあり方を模索している世のビジネスパーソンもきっと多いはずだ。同様に高校スポーツ界も全体でコロナとの向き合い方を考え、感染者が出ても出場できるよう柔軟な規定に見直すなど各競技で不公平感をなくすべく大人たちがもっと知恵を振り絞る必要性がある。最後に繰り返すが、高校生には3年間しかないのだ。