また、デンマークの電子政府政策は20年かけて段階的かつ強制的に導入されてきた。2001年から、4年ごとに「電子政府政策」が発表され、各政策では達成目標とマイルストーン(中間目標)が掲げられた。特筆すべきは、14年11月1日を区切りに、政府や自治体などの公共機関から市民への連絡を、半強制的に電子移行したことである。この間、国や地方自治体のデジタル化(第一・二次電子政府政策)を端緒に、公共機関と関わりのある民間企業(第三次)へと浸透させ、段階的に基盤を整えてきたからこそ、最後に市民(第四次)へと電子化を広げることができたのである。
着実に積み上げていったデジタル化の成果
デジタル化の進捗は可視化され、誰でもオンラインでチェックすることが可能だ。政府はいつまでに何をやるべきか、あらゆるメディアや著名人を使い、戦略的な告知を徹底するなど、デジタル化を一般市民に浸透させるための工夫を凝らした。
さらに、各種行政手続きのデジタル化は、全てを一度に実施したわけではない。戦略的に対象となるサービスを選び、一歩一歩進めていった。例えば、……
◇◆◇ この続きを読む(有料)◇◆◇
◇◆◇ 特集の購入はこちら(有料) ◇◆