41回目に当たる本年は、コロナ禍もあり、規模を縮小して 2 週間行われた。この演習には、近年、東南アジア諸国(インドネシア、マレーシア、シンガポール)や米国の同盟国(日本、韓国等)も参加しており、自衛隊は2005年以降毎回加わっている。
しかし、ここでタイらしいのは、15年以降は、中国も参加しているということだ。但し、中国の参加は人道支援訓練部分のみに制限されている。
日本にとっても有意義なインドネシアとの軍事交流
次いでインドネシアについて述べる。日本とインドネシアとの間の軍事交流では、これまで海上自衛隊が中心的役割を果たしてきたが、今回ガルーダ・シールドに陸上自衛隊が初めて参加したのは、両国の軍事面での協力を拡大する上で非常に有意義だ。なお、本記事では今回の演習には日本、豪州、シンガポールが初めて参加したとされているが、その他に韓国、カナダも参加している。
インドネシアは、この地域の盟主であり、自由で安全な海洋航行のために必須な要衝を数多く抱える重要な国である。地域の大国であるインドネシアが、危機に際して日米に近い立ち位置を取るかどうかを占う上で、このような平時からの連携が果たす役割は大きい。
インドネシアのナツナ諸島周辺海域には、最近毎年のように海警に守られた多くの中国漁船が現れる。このような中国の「やり過ぎ」は、インドネシアが安全保障面でも日米を頼りにするという事態を招いている。このような連携は、今後も続くと思われる。