2024年12月12日(木)

山師の手帳~“いちびり”が日本を救う~

2022年7月30日

キルギスの希土類鉱山を訪問した筆者

 中央アジア5カ国の市井の人々は、ウクライナ戦争に対してどのようなイメージを持っているのだろうか。マクロで言えば、ロシアとウクライナの兄弟喧嘩であり、米露の代理戦争としてウクライナが表立っているという見方をしている人が多い。

 一方、個人レベルで見ると、世代間での差もあったりする。例えば、既得権益を持つような地位にある人や、高齢者はロシア側に立ち、40代以下の人は、どちらを支持するというわけでもないが、一方的にロシアに肩入れする様子を見て「それは古い」と感じている人だ。

 実際、かつてのビジネスパートナーで、40代のキルギス人の男性は、自分の父親をそう評していた。ただ、親父さんからすれば、旧ソ連時代に軍関係の職務についていたという経歴を持つだけに感情としては複雑だろう。

 さて、そうしたなかで、7月21日と22日の両日に、第4回中央アジア首脳会議が行われた。会社場所は、私が今回の中央アジア紀行で訪問したキルギスのイシククル湖畔だ。参加したのは、カザフのトカエフ大統領、ウズベクスタンのミルジョエフ大統領、タジキスタンのラフモン大統領、トルクメニスタンのベルディムハメドフ大統領、キルギスのジャパロフ大統領だ。

第4回中央アジア首脳会議(出所、キルギス大統領府)

 会議を主導したのは、第1回でも注目したカザフのトカエフ大統領だ。主な議題は、①地域経済の協力を強化、②国境貿易のインフラ整備(国際産業協力センター「中央アジア」、カザフ、キルギスのロジ複合施設、タジクと卸売流通センター、トルクメニスタンの穀物ターミナル)、③eコーマス(アリババとの関係性)、④半年に一度の外相会談、⑤越境河川の相互利用(キルギスの水力発電)、⑥アラル海の再生基金、などだ。


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