今回は中央アジア諸国に1カ月かけて資源の調査に行った。今や中央アジアではカザフスタン、キルギスタン、ウズベキスタン、タジキスタン、そしてトルクメニスタン(以下、カザフ、キルギス、ウズベク、タジク、トルクメンと記す)の5カ国をひっくるめて中央アジア諸国と呼んでいる。
ロシアと中国の狭間で
歴史的にはロシアとの経済的な結びつきが強く当然旧ソ連時代の影響もあって政治的、軍事的にも関係が深い共和国群である。
一方、中国にとっても「一帯一路」政策を海外に伸ばしていく国家方針において隣国である中央アジア諸国は、最も重要な国家群である。特にカザフとの結びつきは大変重要であり、中央アジア諸国が協力しない限りは中国の世界戦略である「一帯一路」戦略はうまくいかないのは当然である。中国は国境を接しているキルギスとタジクについても「一帯一路」の政策の枠の中で力を入れている。
ウズベクとトルクメンは直接国境を接してはいないが、同様に今後「一帯一路」の政策における重要性は高くなっていくことが予想される。
ウズベクも中央アジア5カ国の中では人口においても大国である。これまではユーラシア経済連合との関係から5カ国の中央アジアとロシアとの関係が強固に存在していた。
今回のウクライナ戦争のあとプーチン大統領は5カ国の首脳を集めて独立国家共同体としての結束を再確認しようとしたが、必ずしもプーチン大統領の思惑通りにはいかなかったようだ。
本稿ではロシアと中央アジア5カ国との結束にどのような変化が起きているのかを現地情報を調査しながら検証することが目的である。