2024年11月21日(木)

山師の手帳~“いちびり”が日本を救う~

2022年7月30日

キルギスという穴場

 最後にキルギス。もともと、治安が良くない地域ではあったが、現在は改善されている様子だった。このところ、金鉱山への注目が高まっていると聞いた。面白いビジネスチャンスになるかもしれないと、私も密かに注目している。

 20年以上前の話になるが、キルギルで日本のJOGMECが鉱山調査の時に、日本人7人が誘拐された事件があった。この影響もあって、地質探査の分野での調査・開発が進まなかったという背景もある。

キルギスのイシククル湖ではリゾート開発が進んでいる。(筆者撮影)

 一方で、日本の無印良品がキルギルのフェルト素材でつくった人形などの小物を販売するといった取り組みが10年以上続いている。大手旅行会社エイチ・アイ・エス(HIS)の澤田秀雄氏はキルギスの金融機関に出資することを決定した。また、今回、日本の教育産業関係者が、キルギスに日本の教育制度を輸出するといった取り組みを開始しようとしている話も耳にした。このような草の根運動がより活発になることを期待したい。

 政府レベルでも、同じように中央アジアの課題に基づいた協力関係を築くことができないものかとも考えてしまう。というのも、タジクやキルギスなどでは特に、一帯一路政策を背景として、中国からのマネーが流入しているはずで、「札束で言うことを聞かせられる」といった状況が生まれることが懸念される。そういうところにこそ、日本が第3者的に介入することで小さな感謝を積み上げていくことはできないのだろうか。中央アジアは、日本にとっても「チャイナプラスワン」になる可能性を秘めていると思った次第だ。

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