2024年4月19日(金)

ヒットメーカーの舞台裏

2013年6月12日

 福島県出身の菅野は、ふるさとの夕焼けなど豊かな自然が織りなす「色」に少女時代から関心を抱き、高校・大学とデザインの勉強を重ねた。大学を出てからは、大手の織物メーカー、さらに自動車のデザイン会社にも勤めてキャリアを重ねてきた。

 ただ、2社ともに希望していた「職人のように、自分でモノを造り込む仕事」には距離があり、それが叶えられそうな会社として、シー・シー・ピーに転じた。菅野は本来の商品企画の仕事だけでなく、得意とするカラーデザインでも技能を発揮できる場を与えられている。そうした「自由度の高い職場環境」にも満足している。

 30代そこそこで3社目となったこの会社では、じっくり腰を据えて「職人」をめざす。当面は女性の視点で、「子育てママ」に喜んでもらえる商品を送り出したいという。(敬称略)

(写真:井上智幸)

■メイキング オブ ヒットメーカー 菅野智子(かんの・さとこ)さん
シー・シー・ピー ホームケアプロダクツ部

1982年生まれ
福島県福島市に生まれる。幼少の頃から現在に至るまで、一貫して色彩に興味があり、幼少時代は時間の経過とともに異なる色合いを見せる山や川をぼんやり眺めることが好きだった。高校は市内で唯一デザインを学ぶことのできる県立福島西高校に進学。デザイン科学科で、デッサン、コンピューターグラフィックスなどを学んだ。
2000年(18歳)
新潟県にある長岡造形大学に進学し、産業デザインを学ぶ。3年次からは、服飾、インテリアなどをデザインするテキスタイルを専攻。休日にもキャンパス内の工房へ足を運び染色を行うなど、学業に勤しんだ4年間であった。一眼レフを購入し、プライベートでは写真撮影を楽しんだ。
2004年(22歳)
大学卒業後、大阪府の大手織物メーカーに就職。電車やバスなどの車内インテリアのコーディネートなどを手掛けた。08年に自動車のデザイン業務を行う会社に転職し、車の内装、外装のカラーデザインを担当した。その後、一時的に実家へ戻る。
2011年(29歳)
3月11日、福島市内の実家にいた際、東日本大震災が発生。怪我などはなかったが、しばらく不安な日々を過ごす。「自分自身も早く復興しなければ」との思いで、転職活動を行い、9月にシー・シー・ピー入社。家電や雑貨の商品企画、商品全般のカラーデザインなどを担当している。

[特集] ヒットメーカーたちの物語

◆WEDGE2013年6月号より

 

 

 

 

 

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