2024年7月14日(日)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2013年6月18日

 日本はドイツのように贖罪すべし、という議論は、1985年8月のヴァイツゼッカーの有名な演説以来繰り返されて来ました。

 ヴァイツゼッカー演説は、ナチスのユダヤ人迫害と、もう一つは戦争そのものが人類全体に及ぼした惨禍について論じたものであり、ドイツ人自身についても、故郷をソ連軍に追われたドイツ人の苦しみに触れています。その冒頭では、今回の朴大統領の米議会演説のように、「過去に盲目であれば、現在にも盲目である」という表現で、過去の現実直視の必要に触れていますが、特定国に対する謝罪をしているわけではありません。もしその内容を日本に当てはめれば、原爆などの無差別爆撃や、樺太千島を負われた人々の惨禍にも触れなければならない、という内容の演説です。

 歴史問題についての、中国、韓国の日本批判は、国際的な共感を呼んで初めて、彼らにとっての外交的な意味を持つことになりますが、この論説も指摘しているように、日本の国際的孤立化を招けるかどうかわかりません。あとは、それぞれの国の国内向けジェスチャーとして有効であり続けるかどうかという問題になりますが、これは日本としては関知するところではないので、日本としては事態を悪化させる口実は与えないようにしつつ、静観するしかないのでしょう。

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