2nd 冷蔵庫を、オブジェとしても成り立たせる
さてシャープは、2nd 冷蔵庫をどう捉えているのか? 一言で言うと、「オブジェ」として、どこにでも置いてもらえる家電だ。最も目立つドアは「メタル仕上げ」。モノトーンモダンの系列だ。高さは圧迫のない適度なもの。悪目立ちしない。
中身は、何でもというより、嗜好品寄りに想定されている。2nd 冷蔵庫に近いものとして「ワインクーラー」がある。リビングなどに置いてあると、中身のワインが高い、安いに関わらず、生活スタイル的にリッチ。私も置きたいと思っているが、設定温度の自由度がないものが多い。
日本酒、ワインなどの醸造酒の品質管理は、温度管理と振動防止がキーになる。しかし日本酒は冷やすことが難しい。理由は簡単、一升瓶が大きすぎるからだ。シャープの2nd 冷蔵庫の最大の特徴は、中の棚をとると、一升瓶がすっぽり入ること。上一段、余るので、同じ温度(6℃近辺)でビールを冷やすと美味しい。
シャープの2nd 冷蔵庫は、一室構造なので、温度設定は1つだが、設定はかなり自由だ。冷凍モードで、マイナス21、18、15℃。微凍モードでマイナス7、5、3℃。冷蔵モードでは、0、3、6℃の9パターンがある。同じモード内で、最大で6℃しか変えられないが、数℃で食感は全く異なる。食材をよくご存知の人には、使い勝手のいいモデルといえる。名前の「グルメクール」も、お取り寄せのクール便と、この温度の多様性から来ている。
天板は100℃耐熱。デザインの良い小型のオーブン、電子レンジを置いておけば、好きな映像を楽しみながら、好きなものを楽しむこともできる。シャープの十八番、プラズマクラスター、つけかえどっちもドアもついている。
2nd 冷蔵庫の未来
エネルギーが高騰、電気代が高くなる中、2nd 冷蔵庫をリリースしたのは、シャープの他に、ハイアール、アイリスオーヤマだ。ハイアールは、世界最大の白物家電メーカーだけに、安く作ることができる。アイリスオーヤマの最新作は大容量化。このは2社は安さと機能を追求した形だ。特にアイリスオーヤマはグループ内にホームセンターを持っている。要するに、売り切る力を持っているということだ。一方、シャープは、そういう強みはない。
2nd 冷蔵庫は元々、大きな冷凍室が付いている冷蔵庫を買うまでの一時的な措置という意味合いが強い。しかし、これからの時代は、使い捨てが許されない時代に入る。
今回のシャープ「Gクール」は、新しい考えの 2nd 冷蔵庫。使わない時でも、置いて勘に触らない冷蔵庫だ。長く使ってもらえる仕様であることは良いことだ。ただし、残念なのは、電源ON / OFFのスィッチが表にないこと。電気代節約のために、本体を動かすのはかなり面倒だ。しかし、今回、新しい分野に、新しい考えで挑戦したシャープ。頑張って欲しい。