ブースによっては商品の無料配布や、景品付きのゲームなどもあり、来場者にとっては楽しみなイベントとなっています。企業のアピールだけではなく、様々な愛玩動物を展示し触れ合えるコーナーが設けられていたりや、ちょっとしたB級グルメを味わえるコーナーを併設していたりと、家族連れやペット連れでも楽しめる企画が多く用意されています。
これらのイベントの主な目的は、参加企業の販売促進と言えるでしょう。来場者にとっても、新しい商品情報や必要なサービスの情報を得られるのは大きな利点です。
しかしこの手のイベントで社会的に問題視された内容があります。イベントでの生体販売と、生体の無料配布です。また、ふれあい展示に関してもその方法や内容について問題視する声も聞こえてきています。
生体販売については言うまでもなく、販売方法やアフターフォロー、期間中の生体管理の面で動物の適正な取り扱いを怠ったために問題視され、今ではまともなイベントで行われることはありません。
生体の無料配布はつい最近の事例ですが、繁殖力の旺盛な愛玩動物を、さらに“つがい”で無料配布したために問題視されました。現状、業者が生体販売を行う場合、飼養に関する適切な説明を行うことが義務付けられています。また、顧客に衝動的な飼育を誘発させる行為は、後の飼育放棄の重大な要因となることは事実として問題視されている内容でもあります。無料だからといって一部の業者がこのようなことを行えば、イベント自体の価値をも下げてしまうでしょう。
主催者と参加企業の間での価値観や優先順位が大きく異なることも否めません。どんなに立派な大義名分を掲げたイベントでも、参加企業が集まらなくてはイベントとして成り立たないことも事実です。
企業主導のイベント、ひいてはペット関連企業がもたらす社会的責任に関してはまだまだ熟考が必要と感じます。
専門知識の啓蒙はどこまで可能か
「ペットとの共生(共存)」や「人と動物の関わりかた」といった内容のシンポジウムやイベントをよく耳にするようになりました。主催者も、ペット関連企業だけでなく動物介在(動物を使った)教育・療法などを進めている獣医師や学者の集まりであったり、動物との共生住宅を手掛ける建築関係の業者であったり、動物の保護団体であったりと様々です。
目的として、ペットの社会的地位の向上を謳っている場合が多いと感じられます。