2024年12月23日(月)

ペットビジネス最前線

2012年8月21日

 命との出会い、必ず迎える最後の時。

 いつか訪れるということは理解していても、最も寂しく悲しい時です。

「僕たちもいつか……」 (撮影:著者)

 人間は死を想像し、その未知の現象に恐怖を感じたり思い悩んだりしながら生きています。動物はその瞬間まで純粋に生きることに必死で、死に対して思い煩うことなどないと考えられています。

 沢山の命を扱っていたころ、当然沢山の別れも経験しました。主に犬たちでしたが、飼い主と過ごした時間が長い子らの多くは、最後に飼い主が喜ぶ姿を見せて旅立って行きました。寝たきり期間の長い子が突然起き上がり、よろけながらもおやつをねだったり排泄をしたり。飼い主が喜ぶ姿を満足げに見て、安心したように静かに息を引き取る。彼らはそんな生き物なのです。

ペットの亡骸は「一般廃棄物」

 ペット(コンパニオンアニマル)は家族の一員であるとの認識が高まり、その社会的な地位は向上しているように感じられます。しかしながら日本では法的にはあくまでも“物”であり、飼い主の所有物です。そのためその亡骸は一般廃棄物という扱いになります(廃棄物の処理及び清掃に関する法律:http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S45/S45HO137.html)。

 なんとも心が痛む現実ではあります。一般廃棄物として自治体に持ち込まれた亡骸は地域ごとにゴミ焼却場で処理され、埋め立て場で土に帰るか建築原材料として利用されます。また埋葬についても一般廃棄物の焼却処分や埋め立て処分の基準を満たす必要があるため、私有地以外の土地に埋めることも廃棄物の不法投棄とみなされるため許されていません。

 自治体によっては専用の火葬炉を持ち、個別に火葬し遺骨を引き取ることもできるようになりましたが、まだ多くはないようです(www.city.yokohama.lg.jp/kenko/kankyoshisetu/saijou/petto.html)。

 少し前までは庭に埋めたり自治体に処理をお願いしたりするのが一般的だった動物の葬儀。

 家族として過ごしてきたペットを最後まで供養してあげたいという要望を満たすためのサービスがビジネスとしても注目されています。


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