韓国としては、技術は日本に追いつき、あるいは凌駕した、と思っているし、通貨スワップなどでも、必ずしも日本を必要としなくなった。代わりに、経済大国中国がいる。北朝鮮の脅威に直面する安全保障でも、アメリカに頼り切れず、むしろ中国に頼らなくてはならぬ。とすれば、今こそ中国に接近しておきたい、と思っても何ら不思議ではない。
6月27日の中韓首脳会談で握手しようとする韓国・朴槿恵大統領と中国・習近平国家主席(提供:代表撮影/AP/アフロ)
中国を尊び、返す刀で日本を蔑む。これは往年の「慕華」「侮日」、つまり「華夷秩序」そのままであって、仏像の返還拒否も、対馬の「返還」要求も、そうした先祖返りへの第一歩のようにもみえる。
しかし、対馬が朝鮮の「属国」だったから韓国のものだというなら、朝鮮はいっそう中国の「属国」だったはずで、韓国も中国のものだということにならざるをえない。このあたりをまったく顧慮しないのが、韓国の独善たるゆえんであろう。
それにつけても、最近の韓国の中国傾倒と日本軽視は甚だしい。朴槿恵政権は上の写真にもあるように、中国との「蜜月」ぶりをみせつけた。けれどもさすがに、韓国内のメディアでも、行き過ぎた中国接近に疑問の声があがりはじめている。その帰趨は日・中いずれにも影響が出てこよう。しばらく目を離すわけにはいくまい。
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