同じ年に戦略を掲げた
日本とデンマークとの大きな差
一つ目は、日本のデジタル化には長期的な視点が欠けていることだ。
01年に日本政府が世界最先端のIT国家を目指すとして掲げた「e–Japan戦略」と、同年にデンマークが掲げた電子政府戦略「IT for all–Denmark's Future」が目指す方向性は概ね同じであった。大きな違いは、デンマークは進捗を分析し、4年ごとに「電子政府政策」を更新し、各政策の達成目標とマイルストーン(中間目標)を設けていた点である。着実に積み上げを行い、20年かけてデジタル先進国へと成長を遂げた。一方、日本は目標までの道のりを描くことができず、「これでは無理だ」と違うプランを作っては破棄するスクラップ・アンド・ビルドや看板の架け替えを繰り返した結果、デジタル化はむしろ停滞を続けた。
つまり、デジタル化を実現するための長期的な視点に欠け、どこへ向かっていくのかという〝ゴール〟があやふやであり、国民は理解しにくかった。その意味で、マイナンバー導入の〝ゴール〟は行政手続きを簡便化することであったはずだが、いつの間にかマイナンバーカードを普及させること自体が〝ゴール〟にすり替わり、トラブルが多発している。一体何のため、誰のためのデジタル化なのか、政府は国民に対してしっかり説明を尽くして〝ゴール〟を共有することが欠かせない。
もう一つは、
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