2024年7月27日(土)

勝負の分かれ目

2023年9月26日

 関係者の話を総合すると、今季の阪神はレギュラーシーズンでのチーム順位確定後も所属選手に対し、各々のプレーについての査定を継続させているという。レギュラーシーズン終了後もクライマックスシリーズ(CS)が控えており、今季優勝した阪神はファイナルステージにおいて、ファーストステージを勝ち上がってきたリーグ2位もしくは3位のチームと対戦することになる。

 そうした経緯も踏まえる上で球団側は今季、リーグ2位以下の順位が確定するタイミングまで各選手の査定を続け、チーム全体のモチベーションを高めようと目論んでいる。

 その狙いは来月18日開幕のCSファイナルまでリーグ優勝決定から約1カ月も〝間延び〟してしまうため各々のネジを巻きつつ、ガチンコで戦う環境を再整備する点にある。そして自分たちが所属する阪神は優勝したとはいえ、CSファイナルで対戦することになる2位か3位のチームにレギュラーシーズン残り試合での直接対決であらためて「強さ」を植え付け、実際に戦って対峙しながら肌感覚での戦力分析も行わなければいけない。

球団全体が持つ常勝軍団作り

 「だからこそ所属選手たちの査定には『リーグVを決めたからハイ、終わり』ではなく最後の最後まで中途半端に終わらせず、あくまでもその先のCSや日本シリーズまでを見据えたレールを敷いておかなければいけないという考え方を貫いている。その辺りのマニュアル作りも阪神は非常に徹底している。今の阪神はチーム、そしてフロントともに球団全体が完全に『2020年代のシステム』へ移行できていると言い切れるだろう」と前出関係者は太鼓判を押している。

 いずれにせよ、23年の阪神が「強い」ことは文句のつけようもない。わずか数年で劇的に大きく生まれ変わる要因となった球団全体の改革やビジョン構築は世のビジネスパーソンもきっと参考になるはずである。

スポーツの明暗を分けた〝その時〟を伝える連載「勝負の分かれ目」の記事はこちら
Facebookでフォロー Xでフォロー メルマガに登録
▲「Wedge ONLINE」の新着記事などをお届けしています。

新着記事

»もっと見る