インドネシアのバリ島に行った。家族共々、バリ島が大好きでリピーターである。大抵のビーチはよく知っているので、今回、島に渡ってダイビングをすることにした。すると、ある異変が起こっていた……。
尖閣問題以降、日本には来てくれなくなった中国人観光客が、大挙して島に押し寄せていた。シュノーケリングやスキンダイビングのツアーの8割は大陸から来た観光客だった。マナーが悪くて煩く、静かな離島のビーチをイメージしていたが、江ノ島並みに混雑して参った。おまけに埠頭では法輪功の団体まで騒いでいた。
他の東南アジアと同じく、インドネシアにも多くの華僑が渡っている。インドネシアには、福建省から渡ってきた人が多い。一方、マレーシアやタイでは広東省出身者が多い。福建人と広東人は何かにつけて仲が悪いが、海外に出た華僑の中でもしっくりこないようだ。
よく「北京愛国」、「上海出国」、「広東売国」と言うが、広東人は「福建亡国」だと言って憚らない。福建人が通った後はペンペン草も生えないと悪口の言い放題である。習近平氏は福建省の幹部歴が長く(省長4年を含む17年)、福建華僑との関係が深い。福建華僑は客家であり、李光耀(リー・クアンユー)氏やインドネシア華僑の大富豪、ジュハル・スタント(林文鏡)氏や故スドノ・サリム(林紹良)が代表である。
習近平氏は彼ら客家華僑との緊密な仲を通じて、福建省経済を躍進させた。彼の国家主席就任の背景は華僑コネクションにあると言っても過言ではない。
JKT48並みの活躍を 安倍首相にも期待する
バリ旅行には毎回良い思い出があるが、今回も良いドライバーさんと親しくなった。バリ島に来ていつも感じるのは日本人が大変好かれていることだ。対日感情がなぜ良いのかを聞いた。彼は日本語ガイドも兼ねているので歴史に詳しく、インドネシアの独立運動の話をしてくれた。太平洋戦争終結後、玉音放送を聞いた日本軍の将兵がインドネシアに残って、インドネシアの独立戦争に参加したというのだ。2000人の日本人将兵が、インドネシア兵に交ざってオランダからの独立を戦い抜いた。