2024年4月20日(土)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2013年10月18日

 イランは近い将来、米国や西側がイランの動きに対し、相互的に妥協することを期待している。ここ半年ぐらいの間に具体的成果が挙げられない場合には、イラン国内の強硬派が反撃し、イランは硬直化するだろう、と述べています。

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 イランのロウハニ大統領は、柔軟な外交姿勢を示していますが、その背景に、制裁によるイラン経済の疲弊があることは大方の一致した見方です。

 それに加え、ハメネイが青信号を出したというのも、おそらく事実なのでしょう。ハメネイの態度が変わったことは、ロウハニの大統領選出を黙認した時から指摘されてきました。ハメネイのロウハニ支持は、今後の核交渉で決定的に重要な要素となります。

 イランの外交攻勢の特色が「反アフマディネジャド」であるとの指摘は興味深いものです。イランの核開発問題に対する不信感が根強い中でも、特にイスラエルは、アフマディネジャドがホロコーストを否定し続けたことで、その不信感を更に募らせました。

 イスラエルの不信感の核心は勿論イランの核開発ですが、「反アフマディネジャド」のジェスチャーは、イスラエルの対イラン観に多少の影響はあるのではないでしょうか。

 ロウハニの柔軟姿勢がどの程度実体を伴うものかは、核交渉におけるイランの提案で明らかになってくるでしょう。その点、上記解説記事が言及している付属議定書の批准は重要です。付属議定書は、IAEAに、より自由な査察を認めるもので、これまでIAEAが繰り返しイランに批准を要求してきましたが、イランはこれまで応じてきませんでした。もしイランが付属議定書を批准すれば、イランに対する不信感は大きく軽減されるでしょう。

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