クマは、群れではなく家族単位で行動する(リーダーがいない)。犬の吠える大声は有効ではないか。
サル害対策として、長野県の大町地域では、「モンキードッグ」の取り組みがある。里に近づいてくると犬の群れが吠えて山に追い返すのだが、このような手法は取れないか。猟犬ではなくて、ごく普通の犬を訓練で教育できると聞いている。
長期的には森林の生態系回復が不可欠
そして、まずなによりも、森林の環境、動物の生息・行動状況を把握していなければ、対策の打ちようがない。クマは北海道にヒグマが1万頭、九州を除く本州、四国に4万頭超(世界自然保護基金ジャパン(WWFジャパン))といった程度ではなく、もっと詳細な情報が欲しい。
クマは立木などに体をこすりつける習慣を利用して遺伝子を採取したり、GPSを使ったりできないか。そのようにして把握した情報で「鳥獣保護管理法」の管理鳥獣に指定し、計画の策定、費用の助成、ハンター育成などを進めるのだ。
この冬のうちに、環境省において、管理鳥獣への指定(計画と捕獲・と殺への費用助成など)が検討されることになった。ハンターの育成にも助成が必要だし、若者層の参加も望ましい。
スギ、ヒノキなどの針葉樹単相の育林が進み実のなる広葉樹林づくり(針葉樹との混こう林化)が忘れられた。おそらく相当長期にわたるだろうが、将来を見据えて森の形を徐々に変え、動物と人間が共生できる地域社会、豊かで優しい循環型・持続型の生態系に戻さなければならないと考える。
これには時間がかかるが、やりがいのある事業だ。日本初の林学博士・本多静六が計画した「神宮の森づくり」は、100年後を想定して始まり、見事に実現された。いまからでも決して遅くはない。
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