Wedge REPORT

2013年11月18日

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ピーター・ジェニングス (Peter Jennings)

オーストラリア戦略政策研究所[ASPI]所長

オーストラリア国防省において国際政策部門の筆頭次官補や調整・広報担当の筆頭次官補、同省戦略担当事務次官などを歴任。戦略的政策の立案、危機管理の指揮、国際安全保障に関する調査などを行うとともに、上級高官として政府に幅広く助言を行ってきた。2012年4月より現職。

日豪でより強い
防衛関係の構築を

 豪州と日本がより緊密な防衛・戦略協力体制を築く見通しはどうだろうか。

 筆者の考えでは、両国はできる限り強力な防衛関係の構築を目指すべきである。50年代以降、日豪両国は同じ戦略的展望を共有する極めて緊密なパートナーになった。両国の国民感情は概ね良好で、ビジネスの関係も緊密だ。こうした状況は、より包括的な戦略関係に向けた強固な基盤を築く。

 日豪の協力関係を拡大できる分野を5つ挙げたい。

 まず、海上訓練と対潜水艦戦の高度な軍事演習を拡大するために、もっと多くのことに取り組む必要がある。次に、豪陸軍と日本の陸上自衛隊は、豪州北部の広大な訓練場を含め、軍事演習の機会を模索すべきだ。第3に、防衛産業の協力を拡大し、特に海上戦に関係する様々な一般軍事機能、センサー技術を含めるようにすべきだろう。日本は驚くかもしれないが、豪州には提供できる防衛技術がたくさんある。また、こうした技術移転は一方通行ではない。

 第4に、豪州と日本は協調して、人道支援・災害救援(HADR)戦略に関する地域の思考をリードする必要がある。最後に、我々はアフリカその他の地域での合同平和維持訓練・活動に重点を置くべきである。

 豪州と日本は緊密な友好国であり、今後さらに緊密さは増すだろうが、協調の限界について感じられる場面もあるかもしれない。豪州政府は明らかに中国を封じ込めるように見えるアプローチには慎重になる。防衛面での日本との関係が深まると同時に、豪州は中国政府と有意義な関係を築こうとするだろう。また、海上での領有権紛争については、外交的に特定の立場を取らない。

 要約すると、日本と豪州の2国間関係が緊密化する見通しは極めて明るい。アボット政権と安倍政権は自然と馴染む要素が多々あり、今後数年、互いに協力する素晴らしい機会が訪れるはずだ。

◆WEDGE2013年11月号より










 

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