さくら事務所(東京都渋谷区)のマンション管理コンサルタントの土屋輝之氏は「管理会社が推奨するように、すべてのマンションが十数年周期で大規模修繕をする必要はない。マンションの状況と管理組合の実情に合わせて、必要なものだけ修繕すればよい。最近は長持ちする資材も登場しており、こうしたものを活用すれば、60年間で4、5回大規模修繕をしていたのが3回で済むことも可能で、そうすれば住民の負担も少なくて済む」と周期の見直しを提唱している。
こうした事態に対応して野村不動産は、長持ちする配管などを使うことにより、1回目の大規模修繕を16~18年で行うなど修繕の周期を延ばす提案を18年からしている。「アトラクティブ30」と呼ぶこの方式で建てられたマンションが首都圏を中心に130棟ほどあり、吉村哲己取締役は「修繕費不足という社会課題に対応するため、修繕工事の回数を減らす商品を開発した」と話す。
「第三者管理方式」で
増えるトラブル
住民が高齢化して管理組合の理事長など役員のなり手がいなくなり、理事会に代わってマンション管理会社が維持管理を担う「第三者管理方式」という仕組みがこの2、3年の間に急速に広がっている。
しかしこの方式には、請け負った管理会社が居住者の承認を得ずに修理業者と過大な費用の契約をしてしまうなど大きな問題点がある。国交省には今年1月までの1カ月間に、この問題で600件ものパブリックコメントが寄せられている。その大半が管理会社の”暴走”に歯止めをかける厳しい規制を求める声で、現在、同省で専門家がガイドラインづくりをしている。
その柱は、①管理組合に監事を設置して、管理会社から業務内容の情報提供を求め内容をチェックする、②管理会社と同じグループ会社が修繕工事などを請け負う時、修繕額が一定額以上のいずれかの場合は、総会の決議が必要、となっている。
「第三者管理方式」の専門家メンバーでマンション管理に詳しい香川希理弁護士は「マンションの管理は管理組合が主役であることを認識して、他人任せにしないことが最も重要。マンション住民は自分の部屋のことだけでなく、共用部分の管理にも関心を持ってもらいたい」と警鐘を鳴らしている。
マンション・サバイバルはまさに”待ったなし”の課題だ。
「参加者増を狙って子どもや大人向けのイベント、マルシェなども開催しているが、悩みのたねは参加者が130人程度と住民全体の1割にも満たないことだという。」
を下記のように訂正しました。
「参加者増を狙って子どもや大人向けのイベント、マルシェなども開催しているが、参加者は住民総数の1割の130人程度。防災担当者の悩みのたねは、訓練にまったく出てこない人がいることで、居住者の参加を促したいことだという。」