2024年7月22日(月)

解体 ロシア外交

2013年11月1日

逮捕を正当化するロシア
反論するグリーンピース

 それでは、逮捕された活動家達はどのように処遇されたのだろうか。ロシアの最上級の捜査機関である連邦捜査委員会は、9月24日に、参加していた活動家全員に対して事情聴取を行なうが、もっとも活発な活動を行なったものだけを「海賊容疑」で起訴すると発表した。ロシアの罰則規定によれば、海賊行為は最高で懲役15年、50万ルーブル(約1万5500ドル)の罰金の刑が課される可能性がある。

 9月25日に、プーチン大統領は逮捕された活動家について「海賊でないのは明らか」だと述べ、沿岸警備隊の係官らは「誰かがグリーンピースを装ってプラットフォームを占拠しようとした可能性」を排除できなかったと釈明し、活動家の逮捕を正当化した。ロシア当局の言い分は、ハイテク機器を満載して、目的不明で近寄ってくる環境保護団体を、プラットフォームへの襲撃者として見るのは当然であり、それら活動家は、プロジェクトを危機に陥れただけでなく、ロシアの主権侵害と地域の環境の安全を脅かす行為を行なったのだから、当然犯罪者として処遇されるべきだというものだ。

 他方、グリーンピース側は、平和的な抗議に対する不相応な実力行使だと激しく非難しつつ、ロシアがグリーンピースの船に乗り込む権利もなければ(マシンガンで武装した集団がヘリコプターからロープをつたって船に乗り込んできたという)、活動家を逮捕する根拠もないと主張する一方、ロシアによるばかげた処遇には屈しないとし、活動家の釈放を強く訴える。なお、活動家達は、グリーンピース本部との接触は許されていないものの、全員元気で、家族や友人と電話で話したり、2時間だけ外交官達と面会をしたりしたという。

 そして、裁判所は9月27日、30人のうち22人に対し、2カ月の審理前拘留期間(11月24日まで)を認め、残る8人を継続審理としたのである。

世界中で高まる保釈要求

 だが、逮捕された活動家の出身国や国際機関などによる、活動家の保釈要求は高まる一方であった。ノーベル平和賞受賞者11人も活動家を釈放するよう求める書簡をプーチン大統領に送った。但し、これに関し、ロシアのペスコフ大統領報道官は、起訴や公判は法律に則って行なわれるため、大統領が何かのイニシアティブを取ることはないと強調した。

 また、逮捕された活動家のうち、3人(全てロシア人で、活動家のアンドレイ・アラフベルドフ氏、船医のエカテリーナ・ザスパ氏、抗議活動を記録するフリーカメラマンのデニス・シニャコフ氏)が保釈申請を出していたが、10月8日、ロシア・ムルマンスクの裁判所はその保釈申請を却下した。

 そして、グリーンピース側も10月初旬から世界各地で、拘束されている「アークティック30」の釈放を要求しデモ行進を行なっている。

世界各地で高まる釈放を要求する声 (写真:ロイター/アフロ)

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