2022年11月30日(水)

World Energy Watch

2013年11月7日

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山本隆三 (やまもと・りゅうぞう)

常葉大学名誉教授

NPO法人国際環境経済研究所所長。住友商事地球環境部長などを経て現職。経済産業省産業構造審議会臨時委員などを歴任。著書に『電力不足が招く成長の限界』(エネルギーフォーラム社)など多数。

サンテックの成長と破綻

 サンテックは、豪州ニュー・サウス・ウェルズ大学で太陽電池の研究により15の関連特許を取得し、その後豪州企業に勤務していた施正縈が、無錫市の誘いを受け2001年に設立した。当初の出資比率は無錫市75%、施正縈25%だった。

 02年には2MWの太陽電池の生産を初めて行ったが、その後急速に生産能力を拡大し、06年には160MWに、11年には2000MWに達する。売り上げも伸び、02年の300万ドルが06年6億ドル、11年30億ドルとなった。

 05年のニューヨーク証券取引所へのSPHの上場が、この成長を支えた。この上場により、無錫市が当初投じた資金は13.3倍になったと言われている。米国での上場により資金調達が容易になったことから、04年には4000万ドルだった負債額は06年には3億7600万ドルとなり、11年には22 億8800万ドルに達する。収益が伸びれば、負債が増えても問題はなかった。しかし、営業利益率は06年の24.9%が11年には12.3%に落ち込み、純利益率は06年の17.7%が11年にはマイナス28.4%となった。

 さらに、イタリアでの太陽光発電事業への投融資が詐欺にあい、資金繰りに問題を生じるようになった。13年の3月15日に償還期限を迎えた米国の投資家が保有する社債5億4100万ドルの償還ができない事態となり、5日後には中国の操業会社無錫サンテック社が中国の破産法の適用を受けることになった。

米国の投資家には、全く返済がなされない?

 サンテックに続き、やはりニューヨーク証券取引所に上場している中国LDKソーラーが社債の償還、金利支払ができない事態に陥った。太陽光モジュール市場は回復傾向にあるものの収益面で低迷が続く中国メーカーを支援するために、中国政府は、太陽光発電設備製造業者に17%の付加価値税の半額を13年10月1日から15年12月31日まで還付すると発表した。

 この発表を受け、SPHの株式は1.33ドルから1.70ドルに一瞬上昇したものの、11月1日現在では1.32ドルに戻っている。SPH株の最高値は07年につけた86.26ドルであり、株価は大きく下落している。

 13年10月になり、SPHが保有する資産の一部を、香港を拠点とする順風光電が買収する意向を示していると報道が行われた。さらに、無錫市政府が保有する投資会社を通し、1億5000万ドルを支援する意向との覚書を受け取ったとSPHが発表した。

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