2022年12月8日(木)

World Energy Watch

2013年11月7日

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山本隆三 (やまもと・りゅうぞう)

常葉大学名誉教授

NPO法人国際環境経済研究所所長。住友商事地球環境部長などを経て現職。経済産業省産業構造審議会臨時委員などを歴任。著書に『電力不足が招く成長の限界』(エネルギーフォーラム社)など多数。

 11月1日になり、順風光電が4億9200万ドルで資産の一部を買収する合意がなされたと報道された。この買収額でもSPHの20億ドルを超す負債額には大きく不足しており、中国の破産法では国内の債権者が優先される可能性が高いことから、米国の投資家には、全く返済がなされない可能性が高いとみられている。

 SPHの社債価格が額面の0.4%まで下落する事態になっているなかで、10月末になり、160万ドルの社債を保有する米国の4投資家が、上場しているSPHの会社清算を、米国破産法第7条に基づきニューヨークの裁判所に申し立てた。同社の保有資産の売却による中国製造会社の更生が行われても、米国の投資家に返済が行われる可能性はないと踏んでのことだろう。

中国企業への投資は慎重に

 サンテックの破綻を通して見えてくることは、中国企業の不透明さだ。SPH傘下の操業会社は中国の法に基づき更生されることになったが、その更生には米国の債権者は全く関与できない。また、中国地方政府の関与が見えており不透明感が付きまとう。そのうえ、中国の法では返済も中国の債権者が優先され、海外の債権者は劣後する。

 サンテック、LDKソーラーともにニューヨーク証券取引所に上場し、米国で大きな資金調達に成功した。サンテックが、05年の上場と09年の増資によりニューヨークでの株式売却で調達した資金だけで7億4260万ドルだ。しかし、万が一の時には米国の法ではなく、中国の法に基づき米国の債権者の知らないところで処理することが可能だ。米国の投資家が少しでも返済を受けようと、破産を申し立てる気持ちになるのは当然だろう。

 中国企業が先進国の海外市場で上場しているから、投資家は安心できるわけではない。上場以来SPHの株式に関するアナリストのレポートは38出ており、そのうち31が「買い」あるいは「保持」を推奨していたとの報道もある。投資は当然自己責任だが、どの国の企業であれば安心できるのかも、よく考える必要がある。


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