2024年12月15日(日)

Wedge REPORT

2024年4月3日

 筆者が以前10年ほど海外から毎年30~40人程の欧州から来たビジネスパーソンを国内で教育するプログラムの責任者をしていた時には毎年花見に連れて行っていた。花見の前に簡単に花見の位置づけとマナーを解説しておくことで、その欧州人たちは適切に花見を楽しみ、地元の日本人たちとも時折仲良くなっていた。もちろん双方お酒が入っているので、適度な距離感をどう持つのかはその場に第三者の管理者を置くなどの工夫が必要かもしれない。

花見特有の課題で新たなコンテンツを

 花見の問題点の一つはその時期が正確に読めない点と言われている。桜の開花時期は正確な予測が難しく、桜の無い桜まつりが随所に見られる。

 日本政府観光局(JINTO)も桜に関するページを開設し開花予測を載せているが、今年の東京の予測は3月24日と記載されてるが、(3月31日時点でも)それに合わせてきた観光客は開花した桜は見られなかった。

 しかし、これは海外からの長期滞在を促進するにはメリットにもなり得る。花見はおおよそ3月中旬以降から4月初旬にかけて開花するので、日本に数週間長期滞在することで満開の時期を逃さずに済む。

 満開時以外は他の地域を訪問して回ればよいといアプローチをするのである。もしくは日本全国で言えばほぼ1カ月にわたって桜の開花時期は北上してゆく。今年でいえば福岡は3月下旬で、北海道は4月下旬である。桜の開花に合わせて日本全国を北上してゆくツアーをプロモートするのも長期滞在を促進するのには有効ではないだろうか。

 桜や花見のような日本を代表するキー・アイコンやイベントのみでなく、期間限定の観光資源をマネタイズし、通年で有効活用するのは容易ではないが、継続的に検討し続け、実験を繰り返すことでよいソリューションが見えてくるはずである。

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