2024年4月15日(月)

Wedge REPORT

2024年4月3日

 小林製薬の紅麹サプリメント(機能性表示食品)を摂取した人に死者を含む健康被害が次々に発生している。新聞やテレビの報道で機能性表示食品の実態や同社の責任を問う報道が目立つが、国の食品安全行政の根本的なあり方を問う指摘はほとんど見られない。新聞やテレビでは報じられていない真の課題をえぐり出す。

公表の遅れで被害拡大

 小林製薬は3月22日、自社が製造する「紅麹」成分を配合した機能性表示食品のサプリメントを摂取した人13人に腎障害などが発生し、5製品の自主回収を実施すると公表した。同26日に「3年間、紅麹サプリメントを摂取した人が腎疾患で死亡した」と公表してからは特に関心が高くなり、同社の責任を問う報道が連日、繰り広げられている。

小林製薬の「紅麹」を含んだサプリ(右)による健康被害で会見する同社社長ら(新華社/アフロ・小林製薬ホームページ)

 どのメディアも一致して指摘しているのは会社の対応の遅れだ。「自主回収まで2カ月 情報共有されず被害拡大」(産経新聞3月27日)、「紅麹被害対応後手 公表から2か月超」(読売新聞3月27日)、「小林製薬公表遅れ 把握から2カ月 原因究明優先」(毎日新聞3月27日)などの見出しがそれを表している。

 食品が原因で健康被害が発生した場合は、一刻も早く公表し、被害を拡大させないことが危機管理の鉄則である。原因究明はあとでもできる。小林製薬はこの基本原則の遵守を怠った。

 小林製薬が最初の症例を知ったのは1月15日のことだ。それ以降に紅麹サプリメントを購入した被害者がいることを考えると、公表が2カ月も遅れたことは、緊急時の危機管理(クライシスコミュニケーション)に失敗したといってもよいだろう。

世の中には3つの健康食品が流通

 今度の問題の注目度を大きくした要因のひとつは、紅麹サプリメントが「悪玉コレステロールを下げる」といった機能性を表示した「機能性表示食品」だったことだ。機能性表示食品は2015年に始まった新しい制度だ。「血圧が高めの方」や「睡眠をサポート」など、一定の健康効果を企業の責任で表示し、その効果の根拠となる資料・研究報告を消費者庁に届け出る仕組みだ。ただし国の審査や許可はない。

 これと似た健康食品として、特定保健用食品(トクホ)がある。このトクホは国が有効性や安全性を審議し、消費者庁長官が許可を与えた食品だ。


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