2024年5月2日(木)

BBC News

2024年4月19日

ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領に対する暗殺計画を支援するため、ロシアの諜報機関と協力しようとしていたとして、ポーランド人男性が逮捕され、起訴された。当局が発表した。

ポーランドの検察当局によると、名前を「パヴェル・K」と公表された容疑者は、ゼレンスキー大統領が利用するポーランドの空港について、情報を集める役割を負っていたとされる。

検察は、ウクライナ当局が得た情報に基づいて逮捕したと説した。

一方、この男が実際に何か情報を提供したのかどうかは、明らかにしなかった。

有罪となった場合、被告には最長で禁錮8年が科されるという。被告は勾留されており、取り調べが続いている。

ポーランド検察は声明で、被告がロシアの軍事諜報機関に進んで協力していた疑いがあると説明。「ウクライナの戦争に直接関与している」ロシア人に、自分から接触したという。

被告は、ポーランド南東部のジェシュフ=ヤションカ空港のセキュリティーについての情報収集の役割を担っていたとされる。

ロシアのウクライナ全面侵攻が始まる前、この空港は小規模な地域空港だった。しかし現在は、西側諸国の軍事援助をウクライナに届ける大規模な作戦の主要ハブ空港となっている。

ジェシュフ=ヤションカ空港からウクライナ国境までは約100キロ。待機しているトラックに物資を届けるため、アメリカや欧州各地から軍用機や貨物機が定期的に同空港を利用している。

ウクライナの領空は、ほとんどの飛行機の航行が禁止されている。そのため、ウクライナを訪れる各国首脳も、まずはポーランドなどの隣国に降り立ち、そこから首都キーウに電車で向かうことが多い。

ゼレンスキー大統領も、外国訪問の際にジェシュフ=ヤションカ空港を使うことで知られている。2022年12月には、米ワシントンを訪問した後にこの空港に到着した。ジョー・バイデン米大統領も、ウクライナを訪問する際にこの空港を経由した。

ポーランド当局は昨年、ロシアのスパイ容疑で外国人グループを逮捕したと発表した。このグループは数十台のカメラを設置したと報告されており、そのうちのいくつかはジェシュフ=ヤションカ空港周辺にも設置されていた。

今月18日には、隣国ドイツの当局が、ドイツがウクライナに提供する軍事援助について、妨害計画を立てたとされるロシアのスパイ容疑者2人を逮捕している。

(英語記事 Man arrested in Poland over alleged Russia plot to kill Zelensky

提供元:https://www.bbc.com/japanese/articles/cg395e3v7x0o


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