2024年11月23日(土)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2024年5月17日

 頼の政治的台頭は米中の当局者を不安にさせた。米当局者によれば、頼は蔡よりも行き過ぎたレトリックで中国を刺激し、米国を危険な対立に引きずり込むのではないかと、ホワイトハウスは懸念してきたという。

 前任者とほぼ同じ国家安全保障チームを任命することはワシントンで歓迎され、頼は台湾の対中姿勢を急激に変えることはなさそうだとホワイトハウスを安心させるのに役立つだろうと。

 事情通によれば、頼は顧立雄・現国家安全会議議長を国防部長(国防相)に、2016~17年に同職にあった呉釗燮・現外交部長(外相)を国家安全会議議長に起用する計画だ。林佳龍・総統府秘書長は、ワシントンではあまりなじみがないが、呉外相の後任となると言われている。(注:4月25日の発表ではこれらの通りとなった)

 顧氏のリーダーシップの下で、台湾軍は非対称能力への支出を加速する可能性が期待される。これは、台湾がより大規模な中国軍による攻撃の抑止に焦点を当てる中で、ワシントンの多くの人が求めている道である。

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改めて見せた頼清徳の姿勢

 頼清徳次期政権では米国の事情に明るい台湾の人たちが要職に就くことになる。副総統に就く蕭美琴は前ワシントン駐在台湾代表(事実上の駐米大使)、国家安全会議議長に就く呉釗燮は現在の外交部長(外務大臣)であり、かつ元ワシントン駐在台湾代表、現国家安全会議議長の顧立雄は国防部長(事実上の国防大臣)に就く。総統府秘書長であった林佳龍は外交部長(外務大臣)に就任する。


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