4月25日、台湾の頼清徳次期総統は国家安全保障チームの人事を発表した。呉釗燮(現外相)、顧立雄(現国家安全会議議長)ら、蔡英文政権下で米国の対中政策に関与してきた人物が多く含まれている。
この人事についての予想は、発表前から既に広く報じられており、4月15日ウォールストリート・ジャーナル紙の解説記事‘Taiwan’s Incoming Leader Sends Reassuring Signal to U.S. on National Security’は、人事は米国に対し台湾が対中政策を大きく変えることはないと安心させることになるだろう、とする解説記事を掲載している。要旨は次の通り。
台湾の頼清徳次期総統は国家安全保障チームに現政権からの残留組を充てる準備を進めている。これは、ホワイトハウスがウクライナやガザといった地政学的危機に直面するなか、次期政権は波風をあまり立てないという米国へのシグナルである。
国家安全保障チームには、事情通によれば、ワシントンでおなじみの顔ぶれが多く含まれることになろう。
政府当局者や政治アナリストたちによれば、予想される人事は事実上、現政権(蔡英文政権)の内閣改造に相当し、継続性のジェスチャーを意味する。これはバイデン政権に好意的に受け止められよう。