2024年6月16日(日)

田部康喜のTV読本

2024年5月11日

 桜川男爵の娘の涼子から仲間に自宅に集まるように連絡があった。父親の侑次郎(中村育二)が芸者と家を出たというのである。涼子に最後に「もうお前も自由なんだ。好きにするといい」と言い残して。

 一人娘の涼子は婿をとって、桜川家を存続させる決断をしたのだった。家族ばかりではなく、使用人たちの生活を考えた末のことだった。

 弁護士の妻・梅子(平岩紙)は、夫から離縁状を突きつけられる。「子どもたちに会うこともならん!」と。梅子は高等試験司法科の受験会場に現れることはなかった。

男女不平等社会に寅子はどう生きる

 「はて?」は、日本の男女不平等社会を照らし出す言葉である。

 ジェンダー・ギャップ指数の国際比較(2023年)を見てみよう。

 1位にアイスランド、2位にノルウェー、3位にフィンランド……。日本は125位である。

 今回のドラマのモデルとなった三淵嘉子が、切り拓いた法曹分野はどうか。

 女性が占める割合は、裁判官が22.6%(19年)、検事が25.4%(20年)そして弁護士が19.1%(20年)である。1976年からの動向をみると、それぞれ上昇傾向にある。

 寅子の人生はこれからも波瀾万丈である。戦争をはさんでドラマは展開されるのだろう。脚本の吉田恵里香がどこまで三淵の人生を描くのかは興味深い。

 先の「三淵嘉子」(青山誠著)によれば、結婚と別れ、再婚……。仕事の面では戦後の家庭裁判所制度の確立作業などにもかかわっている。

 伊藤沙莉の演技力ならば、これからのドラマの展開の楽しみが増すばかりである。

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