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日本のロックバンドが、15世紀の航海者クリストファー・コロンブス(名前の英語読み)と類人猿が登場するミュージックビデオを批判され、この動画の公開を中止した。
「Mrs. GREEN APPLE(ミセス・グリーン・アップル)」の新曲「コロンブス」のミュージックビデオには、歴史上の人物たちが類人猿に乗馬や楽器の演奏方法などを教える場面があった。
動画は12日の公開直後から大勢に批判され、13日には公開が中止された。
Mrs. GREEN APPLEが所属するユニバーサルミュージック合同会社は13日、この動画に「歴史や文化的な背景への理解に欠ける表現が含まれていた」として謝罪した。
動画では、3人のメンバーがそれぞれコロンブスとナポレオン、ベートーヴェンに扮した姿で、類人猿に見える人たちが住む島を発見する。
ソーシャルメディアでは、この動画が人種差別的だ、奴隷制を肯定するものだといった批判が出た。
X(旧ツイッター)では、「コロンブスは奴隷制を作り上げた人物だ。(動画には)先住民に見えるよう類人猿を教育する場面もある。誰もこれに気付かなかったのか?」といったコメントも見られた。
「このMVでは、(バンドメンバーは)侵略者に扮し、先住民は文字通り猿のように描かれている。まったく頭おかしい」という意見もあった。
また、コロンブスを題材にしたこと自体が問題だという意見もみられた。コロンブスはアメリカ大陸を「発見」したと言われることもあるが、先住民を虐待し、奴隷にした残忍な統治者だったという批判もある。
ユーチューブには、「これに関わった人に、少しでも世界史を学んだ人はいなかったのか?」というコメントが付いた。
「この動画を擁護している人は、北アメリカの歴史を何も知らないのだと思う。コロンブスは大勢のアメリカ人に嫌われていて、(多くの場所で)コロンブス記念日がなくなっているのに」という書き込みもあった。
13日に発表された謝罪文の中でバンドの大森元貴氏は、この動画は「年代の異なる生命がホームパーティーをする」様子を表そうとしていたと説明。「(類人猿については)差別的な表現に見えてしまう恐れがあるという懸念を当初から感じておりましたが、類人猿を人に見立てたなどの意図は全く」なかったと述べた。
「決して差別的な内容にしたい、悲惨な歴史を肯定するものにしたいという意図はありませんでした」とも書いている。
飲料品大手コカ・コーラは当初、有名人を起用した音楽プロジェクト「Coke Studio」の一環として、この動画を公開していた。
ユーチューブで340万人のフォロワーを持つMrs. GREEN APPLEは、日本の人気アニメ「ワンピース」の映画に劇中歌を提供している。
(追加取材:水川京子、東京)
(英語記事 Japanese band pulls music video with ape-like natives)