2024年12月7日(土)

日本の漁業 こうすれば復活できる

2024年6月19日

 6月に解禁となった北海道南部のスルメイカ漁の初水揚げが函館で6月5日の朝にありました。11隻が出漁して3隻がゼロ、前年の6分の1のたった200キロでした。“記録的不漁”といった言葉が、漁業ではスルメイカだけではなく、資源管理制度の不備で枕詞のように毎年繰り返されるようになってしまっています。

深刻な不漁が続くスルメイカ(筆者提供)

 スルメイカは鮮魚出荷だけでなく、スルメなどさまざまな加工品になります。地元にとって、そして全国の消費者にとってとても重要な水産物です。年によっては、どこそこでイカが豊漁などというニュースがたまにありますが、全体ではどういう傾向になっているのでしょうか?

底を打ってしまいそうな漁獲量

 下のグラフはイカ類の漁獲量推移を表しています。スルメイカだけでなく、イカ類として漁獲量が激減しているのが一目瞭然です。点ではなく、全体像で見るとこれが現実なのです。

(出所)農林水産省のデータを編集 写真を拡大

 ちなみに、スルメイカの不漁は日本だけのことではありません。同じイカ資源を韓国も漁獲していますが、日本同様に不漁で、イカ釣り漁業者が減船事業に参加して撤退するケースが増えているそうです(韓国北東部で60隻の内3割が該当)。

 また、近年は聞かなくなりましたが、2013年~19年ころにかけて年間で50~200隻を超える北朝鮮の木造船が漂着することが話題になりました。また中国船の日本の排他的経済水域(EEZ)内での操業も問題になりました。しかしながら、漁獲量の減少に伴い話題にならなくなってきています。


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