2024年7月20日(土)

BBC News

2024年6月21日

基本事項

年齢:44歳

学歴:ウィンチェスター・コレッジ、英オックスフォード大学、米スタンフォード大学

家族:妻は実業家のアクシャタ・ムルティ氏。娘2人。

選挙区:リッチモンド (ヨークシャー)

どういう人か

保守党を率いるリシ・スーナク首相は、イギリス初のインド人系首相。現代のイギリス首相として、最年少。ロンドンのダウニング街10番地にある首相官邸に、妻と2人の娘と共に暮らしている。

弟と妹の3人きょうだい。南部サウサンプトンで育ち、イギリスで特に学費の高い寄宿学校のひとつ、ウィンチェスター・コレッジで学んだ。オックスフォード大学の、哲学・政治学・経済学(PPE)学士課程を卒業後、米カリフォルニアのスタンフォード大学で経営学修士(MBA)を取得した。

2009年に結婚したアクシャタ・ムルティ氏とは、スタンフォード大で知り合った。ムルティ氏は、IT大手インフォシスを立ち上げたインドの大富豪、ナラヤナ・ムルティ氏の娘。

スーナク氏は米投資銀行ゴールドマン・サックスで数十億ドル規模のヘッジファンドを運用した後、2015年にヨークシャー州リッチモンド選挙区から下院選に出馬し、初当選した。

党首までの道は

2019年に財務省首席政務官に就任。2020年2月に当時のサジド・ジャヴィッド財務相が辞任すると、ボリス・ジョンソン首相によって後任の財務相に任命された。

ほぼ同時期に、新型コロナウィルスのパンデミックが始まった。そのため、雇用維持支援制度や、飲食店支援のための外食推進事業を立ち上げた。苦境にある接客業の支援を目的にしたものだが、2020年秋の感染者急増につながったと批判された。

感染対策のため厳しい行動制限を導入したロックダウンの最中に、政権関係者が首相官邸などでたびたびパーティーを開いていたことが発覚した、いわゆる「パーティーゲイト」に関与していたことも、問題視された。この関連で2022年4月には、ロンドン警視庁から違反行為に対する罰金を科されている。

妻のムルティ氏については、いわゆる「ノン・ドム」(イギリス居住だが、税務上の居住地は国外にある人、の意味)だと明らかになった。ムルティ氏はイギリス国外所得に対するイギリスの税金納付を回避することで、数百万ポンドを節税していたとされる。

「ノン・ドム」だと明らかになった後、ムルティ氏は国外収入に対するイギリスの税金の納付を開始すると発表した。

相次ぐジョンソン政権のスキャンダルを受けて2022年7月、スーナク氏は他の多くの閣僚と同様政権を離れた

ジョンソン氏の首相辞任後、同年夏の保守党党首選でリズ・トラス氏と争ったが、9月の時点ではトラス氏に敗れた。しかし、新首相になったトラス氏が減税策をめぐる市場などの混乱のため、就任からわずか45日で辞任したのを受け、続く党首選で勝利した。多くの保守党議員は、近づく総選挙に向けてスーナク氏が保守党を安定させてくれるものと期待していた。

主な公約は?

スーナク氏は昨年、五つの公約について有権者の判断を仰ぐとして、次の五つを発表した。

・インフレ半減

・経済の成長

・債務の削減

・公的医療「国民保健サービス(NHS)」の待ち時間短縮

・イギリス上陸を目指す不法移民を乗せた小型ボートの渡航を止める

総選挙を7月4日に行うとスーナク氏が決断する直前、インフレ率は過去3年間で最低の2.3%まで低下した。

イギリスは今年春に景気後退から脱け出していることもあり、インフレ率の低下は、自分の経済計画が奏功していると明確に示すものだと、スーナク氏は主張した。

しかし国家統計局は、最新の数字では実は債務が増えているにもかかわらず、債務が減っていると首相が発言したことを批判している。

NHSの治療を待つ患者の総数は、スーナク氏の首相就任時よりも増えている。ジュニアドクター(専門医になる前の若手医師)の団体は、6月末から投票日直前までのストライキ決行を発表している

スーナク政権の目玉政策は、違法移民のルワンダ強制移送だ。イギリス上陸を目指す小型ボートの渡航抑止がその目的だが、反対派からは見た目だけの仕掛けに過ぎず、しかも実施には莫大な費用がかかると一蹴されている。実施も停滞している。スーナク氏自ら、総選挙前のルワンダ移送は行わないと述べている。

内務省が発表した数字によると、年初からの5カ月間で小型ボートの到来は過去最多を記録。1万人近くが上陸し、4月には7歳の少女を含む5人が死亡した。

今回の選挙戦で保守党は、18歳全員に12カ月間の兵役・社会奉仕活動を義務付ける「ナショナル・サービス」を復活させると公約した。

また、技能実習の費用を負担するほか、年金非課税の上限を引き上げるとしている。

保守党の状態は?

スーナク氏は、混乱状態にある保守党を一致団結させようと尽力してきたものの、必ずしも成功していない。とりわけ、税率を過去70年来の高水準に引き上げたことで、政権は党内からも批判され続けている。

同党は昨年11月以来、世論調査で常に、労働党に20ポイント差をつけられている。

今年3月以降は、保守党を離脱して最大野党・労働党やナイジェル・ファラージ氏率いる「リフォームUK」にくら替えする議員が相次ぐという、屈辱的な事態も続いた。

それに加えて、今回の選挙に向けて、保守党の現職議員数十人が議員を引退すると表明している。

かつて保守党は野党の議席を70議席近く上回っていたが、補欠選挙で連敗が続いている。

保守党議員を含め、ほとんどの政界消息筋は、スーナク首相が今年秋までは解散総選挙を発表しないものと見込んでいた。それだけに、なぜ今なのか、首をひねる人は今もいる。

(英語記事 Who is Conservative Party leader Rishi Sunak?

提供元:https://www.bbc.com/japanese/articles/clll564d9v2o


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