2024年7月1日(月)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2024年6月24日

 クリミア併合後、プーチンはロシア本土とクリミアを結ぶケルチ橋を建設、自ら車を運転して渡り初めをしたが、このケルチ橋がウクライナの攻撃で破壊されることも心理的に受け入れがたいことであろう。ただホッジ将軍が言うように、今やそれは現実になる可能性はかなりある。

 プーチンはその場合、核兵器の使用を含め、極端な対応に出る可能性も排除できないと思われる。プーチンをどう抑止するか、米国を含む西側の対応をシミュレーションしておく必要があろう。

プーチンのおかしな発言

 プーチンを今度のウクライナ侵攻に向かわせたのは14年のクリミア併合の成功体験と見て間違いないだろう。プーチンは、ウクライナ侵攻と併合も同じように簡単にできると考えたから、ウクライナ戦争を始めた。クリミアでのウクライナの反撃がこの戦争の終りに貢献するのであれば、皮肉な結果になるだろう。

 なおバイデンの米国供与兵器のロシア領内攻撃への使用の一部容認に対して、プーチンは「米国などに対し同じことをする。ロシアの兵器を米国攻撃に使えるように供与する」としているが、プーチンは少しおかしくなっている気がする。ロシアはウクライナを侵略し、ウクライナは自衛権行使をしている。その中での供与兵器の使用基準の話と、侵略などしていない米欧に対し、他国が自衛ではなく武力行使をするためにロシアが兵器を供与する話とは全く違う。

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