2024年11月22日(金)

中国メディアは何を報じているか

2013年12月11日

4.政府負債を政治業績の評定の重要な指標とし、任期内の借金の状況の評定、会計検査、責任追求を強化し、功を焦り、盲目的な借金による「政治業績プロジェクト」の実施を防ぐ。

5.「イメージアップ・プロジェクト」「政治業績プロジェクト」の識別と制止に注意を払い、高投入、高排出、高汚染を経済成長速度の引き替えとすることを防止し是正し、何もしない(不作為)、むやみに何でもやるなどの問題を防止し、是正する。

6.選抜、任用で、簡単に地域のGDP、GDP伸び率で英雄視してはならない。

7.国家の利益に重大な損失を与えた者、大衆の利益に損失を与え劣悪な影響を与えた者、資源の深刻な浪費を行った者、生態に深刻な破壊をもたらした者、多額の盲目的な借金を焦げつかせた者に対し、記録の残し、経緯の軽重によって、組織的に解決する、あるいは党の規律、政府の規律に基づく処分を行い、すでに離任した者も責任を追及する。

8.各種の業務活動の評定を簡素化し、名目が多すぎたり、不正確さにつながる評定を廃止し、評定が多すぎたり度を超すこと、「一票否決」(いくつかの評価項目のうち1つでも達成できなければ不合格とする―筆者注)が拡大すること、末端の評定評価の負担が重いことといった現象を防ぐ。

経済指標を高め出世を競う地方幹部

 1980年代以降の経済成長、とりわけ1990年代の高度経済成長は、地方経済の発展にけん引されたものであった。そして地方経済を発展させた党や政府の指導者はより高いポストへと出世していった。それはGDPやGDP伸び率、外資の誘致件数や投資額、中央への納税額といった経済指標によって評価されたと見られている。例えば、1990年代に中央政治局委員に抜てきされた姜春雲と呉官正が共に山東省党委員会書記だったことは偶然ではない。山東省の経済を発展させ、多額の税を中央に納めたことが評価された結果であると言われた。

 しかし、経済格差の拡大、環境汚染など高度経済成長のひずみが顕在化したことで、2002年に発足した胡錦濤政権は「調和社会」の構築をスローガンに掲げ、民生分野の改善、環境保護などを打ち出し、バランスのとれた経済発展を模索した。しかし、地方の党や政府の幹部は相変わらず地元の発展を優先させ、その成果をもって出世をしていったのである。そのため、経済格差、環境汚染などのひずみは解消されていないのが現状である。

GDP第一主義からの転換

 今回、中央組織部が発表した「通知」は、はっきりと地方幹部の人事評価の内容を大きく変えた点で画期的なものと言える。


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