2024年11月22日(金)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2024年7月8日

 ベトナムでは、この1年半の間に汚職の監督責任等を理由に、国家主席2人、国会議長1人、副首相2人など多くの政治指導者が交代した。その多くが、日米を含む西側諸国との関係強化に貢献のあった指導者であり、対外政策に影響が及ぶのではないかと心配されていたが、これまで公表されたものを見る限り、「対外政策の基本」に「ブレ」はないと思われる。

中国はどう見ているか

 ただし、共同声明に、6月ロシアで開催された新興5カ国のBRICS諸国および南東諸国外相会議へのベトナムの参加を歓迎する等、BRICSとベトナムとの関係強化が触れられ、要注意である。

 プーチン大統領の訪越直後の6月21日~22日、クリテンブリンク米国務次官補(東アジア太平洋担当、前駐越大使)がハノイを訪問した。同次官補もプーチンの訪問意義を確認するとともに、米政府のベトナム重視の基本姿勢に変化がないことを説明したそうだ。

 中国が今般のプーチン訪越をどのように認識しているかも重要なテーマである。特に、露越合意事項の中に、①ロシア石油会社の越大陸棚での活動拡大、②ロシアによるメコン地域との協力強化が含まれており、中国は、露越の接近を注意深く見ていることだろう。

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