2024年12月14日(土)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2024年7月8日

 2024年6月20日付のニューヨーク・タイムズ紙の解説記事は、プーチン大統領のベトナム訪問の本質を3つの点から的確に説明している。

ベトナム・ハノイの政府庁舎で握手するロシアのプーチン大統領(左)とベトナムのファム・ミン・チン首相(代表撮影/ロイター/アフロ)

 プーチン大統領は、北朝鮮の後、6月20日にベトナムを訪問した。ベトナムは米国との関係を重視している。露越両国は軍事的に密接な関係にあり、共産主義の歴史も共有しているが、越指導者たちは、プーチンとの会談では、貿易、教育、エネルギー、科学技術分野での関係強化に焦点を当てた。

 以下は、プーチン大統領の訪越から見える3つの重要なポイントである。

(1)プーチンにとっての一種の外交ショーだった。

 過去1年だけでも、ベトナムはバイデン大統領と習近平主席の訪問を受け入れている。プーチンの訪越は、ウクライナ侵攻をめぐって西側諸国がプーチンを孤立させようとする中、プーチンがまだ世界の指導者たちに受け入れられていることを示すものである。

 越露両国はイデオロギーで結ばれた長い歴史を共有している。1950年、ソ連はベトナム民主共和国(北ベトナム)を外交的に承認した最初の国の一つである。グエン・フー・チョン書記長は、プーチン大統領に対して「ロシアに住み、学んだ者として、暖かく、美しく、偉大な国ロシアを今でも懐かしく思い出す」と語った由である。

 プーチンは木曜日、「ソ連は、フランスと米国の侵略に対するベトナム国民の英雄的闘いを支援し、ベトナム社会主義共和国の平和的建設に貢献した」と語った。


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