2024年11月24日(日)

田部康喜のTV読本

2013年12月18日

 パテント・トロールから警告を受ける前から、特許侵害のおそれを濱は上司の村岡雄三(伊武雅刀)に訴えていた。村岡はその責任を回避しようとして、濱を陥れようとする。ふたりは激論の果てに、濱が村岡の撲殺を図り死体を山中に埋める。しかし、村岡は死なず、病院のベッドに意識不明のまま横たわる。

妻・葵の正体は……

 新婚生活の甘い香りに包まれていた、エンジニアの長谷川は、太陽光発電の技術にまだ改良の余地のあることを直属の上司を飛び越えて、開発責任者に訴えたことが原因となって、知財部に左遷される。未練が残る開発プロジェクトのサーバーに、他人のパスワードでアクセスする。

 殺人未遂事件を起こした濱は、警察の捜査の目をくらますために、長谷川を特許の情報漏えいの疑惑によって、殺人未遂事件の犯人に仕立てようとする。

 刑事の三浦智明(吉田栄作)の捜査によって、長谷川の濡れ衣は晴れる。太陽光電池の製造マニュアルが、米国のサーバーに送信されたのは、長谷川のパソコンからであることを、三浦は告げる。

 知財部に左遷される前に、自宅に仕事を持ち込んでいた長谷川のパソコンを使えるのは、妻の葵である。葵とは何者なのか。

 葵が勤めていたという会社の社員名簿にその名前はなかった。結婚式に参列した兄は戸籍上存在しない。

 メイオウ電機に太陽光発電のキーとなる技術を実質的に奪われた、中小企業の経営者の娘が、葵の正体であった。そして、兄というのは、その工場で働いていた幼なじみで、いまではコンサルタントの澤田謙(塚本高史)。

 ふたりはパテント・トロールと組んで、メイオウ電機に復讐を誓ったのである。

原作が描く群像劇の映像化に成功

 「まよパン」は、海外勤務をしていた暮林が単身赴任している間に、妻の美和子が開業準備をしていた。深夜11時から明け方の5時まで営業している。暮林が海外でどんな仕事をしていたのか、そもそも美和子とのなれ初めとは。暮林がそれまでの仕事をなげうって、妻のパン屋を引き継いだ理由は。最終回を前にしても、原作のさまざまな事実が明らかになっていない。


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