パン職人の柳弘基(桐山照史)と、美和子の腹違いの妹を名乗ってパン屋の2階に住むようになった、女子高生の篠崎希実(土屋太鳳)がけんかするのを、静かに微笑んでみつめる暮林。パン屋に集まってくる、脇役たちの演技も含めて、原作の人気シリーズが描く群像劇の映像化に成功している。
テレビドラマの脚本家の斑目裕也(六角精児)は、部屋に望遠鏡を備えてのぞき見がくせの男である。ニューハーフのソフィア(ムロツヨシ)、シングルマザーの水野織絵(前田亜季)とその息子のこだま(藤野大輝)らが、小さな事件を通じて絡み合い、その解決に向けて協力し合う。
今年目立った「家族」の物語
「家族」の物語が今年のドラマの大きな流れではなかったか。血がつながっているかどうかではなく、触れ合い、そしてつながり、暮らすドラマの数々である。「あまちゃん」はいうまでもない。「半沢直樹」もまた、サラリーマンのさまざまな家族模様を描いた。
このコラムのシリーズの本年ラストに、「家族」を描くふたつのドラマをお薦めします。それでは、また来年おめにかかります。(敬称略)
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