2024年10月11日(金)

BBC News

2024年9月11日

アメリカのジョー・バイデン大統領は10日、同国製の長距離ミサイルをウクライナがロシアへの攻撃で使うことに関し、制限を解除する可能性について言及した。ウクライナは現状ではロシアと十分に戦えないとして、制限の緩和をたびたび求めてきた。

ロシアはまだコメントを発表していないが、ウラジーミル・プーチン大統領はこれまで、制限解除のような措置は「非常に深刻な問題」につながり得ると発言している。

バイデン氏はこの日、制限を解除するかと記者団から問われると、政権として「今それを調整中だ」と答えた。

アメリカは、ロシアによるウクライナ本格侵攻が2022年2月に始まって以来、紛争拡大への懸念から、ロシア国内深くを攻撃できる兵器の供給や使用許可に消極姿勢を示してきた。

ただ、そうした制限の一部はすでに緩めており、ウクライナは長距離ミサイルを使って、ロシア軍の砲撃拠点となっている同国国境沿いの地域を攻撃できるようになっている。

ウクライナには他の友好国も長距離兵器を供給しているが、ロシア国内での使用については、方法と時間に制限を設けている。そうした攻撃が報復を促し、北大西洋条約機構(NATO)加盟国を戦争に巻き込んだり、核紛争を引き起こしたりする恐れがあると考えているためだ。

ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領はここ数カ月、西側諸国の武器供給のペースを批判している。そして、西側諸国から供与されたミサイルでロシア内の深くまで攻撃することを、認めるよう求めている。

一方、ロシアのプーチン大統領は今年5月、ウクライナが西側諸国のミサイルでロシアを攻撃すれば、より広い範囲での戦争につながる危険があると警告。「絶え間ないエスカレーションは深刻な結果を招きかねない」、「世界紛争を望んでいるのか?」と発言した。

また、ロシア領内が攻撃されれば、ウクライナ軍が実行したのだとしても、責任は西側の武器供給国にあると付け加えた。

米英外交トップがゼレンスキー氏と会談へ

アメリカのアントニー・ブリンケン国務長官と、イギリスのデイヴィッド・ラミー外相は、ウクライナの首都キーウでウォロディミル・ゼレンスキー大統領と会談する予定となっている。

ブリンケン氏は、訪問の目的のひとつは「ウクライナの指導者から直接、(中略)目的と、そのニーズを支援するうえで私たちに何ができるかを聞く」ことだと話した。

ブリンケン氏とラミー氏はロンドンで会談後、一緒にキーウを訪れる。

ブリンケン氏は訪英中、イランについて、短距離弾道ミサイルをロシアに供給していると非難。また、それらの兵器が数週間以内に、ウクライナ攻撃のために配備される可能性があるとした。ラミー氏は、イランの動きを「重大かつ危険なエスカレーション」だと述べた。

イランは、そうした自己誘導型兵器のロシアへの供給を、繰り返し否定している。

アメリカ、イギリス、フランス、ドイツは10日、イランに新たな制裁を科した。同国がロシアに対し、ウクライナで使う弾道ミサイルを供給したというのが理由。

制裁措置には、国営イラン航空に対するイギリスなどヨーロッパへのフライトの制限や、ロシアへの軍事支援に関わったとされるイラン人らに対する渡航禁止や資産凍結が含まれる。

(英語記事 Biden hints at ending Ukraine long-range weapons restrictions

提供元:https://www.bbc.com/japanese/articles/c8dpv5n2316o


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