76億ドルでは足りない
インドの隣国、パキスタンが国家財政、対テロ管理、政権統治の3点で国家破綻の危機に瀕している。
今年2月末に米アトランティックカウンシルが公表した米国の対パキスタン政策に関する緊急報告書によれば、今後2年間でIMFはパキスタンに76億ドル(約7600億円)のローン支援を行う予定だが、それだけではとても足りず、何らかの手段で今年中にも50億ドル、2年以内には100億ドルの支援が必要で、そのためにオバマ政権は就任90日内にパキスタン支援のための包括的政策を策定すべきと提言している。
アフガニスタン、インド、中国等と国境を接しているパキスタンは、地政学的に世界の火薬庫。米国にとって最大の対イスラム前線基地だ。
パキスタンのザルダリ大統領、米国のホルブルック特別代表(アフガニスタン・パキスタン担当)らが出席し、20カ国から閣僚が参加するパキスタン支援国会合は、4月17日に東京で行われた。
このことは、日本がこれまで以上に資金面でも政策面でもパキスタンを支援しなければいけないということの表れだが、果たしてパキスタンは立ち直れるのだろうか。
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