米人気ドラマ「フレンズ」で主要登場人物チャンドラーを演じた俳優マシュー・ペリー氏の薬物過剰摂取死をめぐって起訴された医師が2日、有罪を認めた。
マーク・チャヴェス被告(54)はロサンゼルスの裁判所で、麻酔薬「ケタミン」の流通に関して共謀した罪について主張を変更し、有罪を認めた。
チャヴェス被告はケタミンを処方するクリニックを経営しており、ケタミン・キャンディーをもう一人の医師、サルヴァドール・プラセンシア被告(42)に販売していた。プラセンシア被告が、これをペリー氏に提供していた。
ペリー氏は54歳だった昨年10月、米カリフォルニア州ロサンゼルスの自宅で死亡した。
その後の検査では血液中から高濃度のケタミンが検出され、規制薬物の「急性作用」が死因だと断定された。
強力な麻酔薬のケタミンは、うつや、不安や痛みの治療に使用されている。
米捜査当局は今年8月、チャヴェス被告を含む医師2人やペリー氏の個人秘書ら計5人を起訴した。
チャヴェス被告は司法取引で、詐欺的な処方箋(せん)を使い、以前のクリニックと卸売業者からケタミンを入手していたことを認めた。
検察は、ペリー氏の個人秘書だったケネス・イワマサ被告について、ペリー氏の死の数週間前からチャヴェス被告およびプラセンシア被告と共謀し、同氏に総額5万ドル(約750万円)超のケタミンを提供したとみている。
起訴状によると、チャヴェス被告とプラセンシア被告は、ペリー氏にいくら請求できるかについて話し合うテキストメッセージを交換していた。その中には「この愚か者はいくら払うんだろうか」と書かれたものもあった。
今回の司法取引により、チャヴェス被告は捜査への協力という理由でより軽い罪状で有罪を認めることができる。だが、それでも最高10年の実刑判決を受ける可能性がある。
同被告の弁護士は、「チャヴェス被告は責任を認めており、捜査に協力している」と述べた。
チャヴェス被告はパスポートを提出したほか、医師免許を直ちに返納することにも同意している。
同被告は2025年4月2日の判決までは保釈される。