2024年10月3日(木)

BBC News

2024年10月3日

パレスチナ自治区ガザ地区の南部ハンユニスで、イスラエル軍による地上作戦と空爆があり、イスラム組織ハマスが運営する保健省によると、少なくとも51人が殺された。

イスラエル軍の戦車が1日夜、ハンユニスの一部地域と周辺地域に侵攻したもよう。住民は、銃声や激しい砲撃が聞こえたと述べている。

病院に搬送されたある負傷者はBBCに対し、戦車が警告なく村に「進んできた」と語った。

イスラエル国防軍(IDF)はこれとは別に、ガザ地区北部と中部で避難民が身を寄せている学校4カ所にあるハマスの標的を空爆したと発表した。

IDFによると、ハマスはムスカット、リマル、ブレイジ、ヌセイラトの各学校内に設置された「司令・制御室」で活動していたという。

パレスチナのWAFA通信は、ガザ市タッファ地区のムスカットの学校で少なくとも9人の民間人が殺されたと報道。また、リマル地区のアルアマル児童養護施設では6人が殺害されたと伝えた。

アルアマル児童養護施設はその後、フェイスブックへの投稿で、イスラエルの空爆が数百人の民間人が避難していた建物を襲い、子どもや女性を含む8人が殺され、大勢が負傷したと発表した。

ガザ地区の市民防衛隊も、2日にイスラエルがガザ中部のヌセイラト難民キャンプにある女子校を爆撃したと発表。3人が死亡し、15人が負傷したとした。

イスラエルは1日、レバノンへの地上作戦を開始するとともに、イランからのミサイル攻撃に対処した。イスラエルとレバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラは1年近く、国境を挟んで攻撃を続けてきた。1日の地上侵攻は、ヒズボラの拠点に対する「限定的」な作戦だとイスラエルは説明している。

IDFは、2日未明に行われたとされるガザ南部への空爆について、まだコメントしていない。

しかし、ハンユニス南東にあるキザン・アルナジャル村の男性はBBCアラビア語に対し、親戚の何人かが攻撃で死亡したと語った。

この男性はハンユニスのナセル病院で、「戦車がその地域に突撃し、クアッドコプター(無人機)が私たちを直接狙っていた」と語った。同病院の医療関係者も、死者数の最新情報を提供した。

病院にいた別の男性は、「私たちがあの村にいたところ、突然、飛行機や戦車から砲弾が降り注ぎ始めた」と話した。

さらに別の男性はBBCアラビア語に次のように語った。「事前の警告は何もなかった。レバノンからのロケット砲攻撃の後、私たちは完全な破壊を目撃した。私はかろうじて生き延びたが、娘は負傷し、妻は頭にけがをして、失明の可能性がある」。

この男性はまた、イスラエル軍が避難民が避難していた家屋も「完全に破壊」していたと話した。

ガザ地区の保健省は2日、イスラエルの攻撃による死者はさらに増える可能性があると警告し、新たに82人が負傷したと発表した。

IDFは昨年12月以来、ガザ第2の都市圏であるハンユニスで、ハマスの戦闘員を標的とした複数の地上作戦を展開している。

ハマスは昨年10月7日にイスラエルを攻撃し約1200人を殺害、251人を人質として連れ去った。これを受けて始まったイスラエルの軍事作戦により、これまでに4万1689人が殺害されたと、ガザ地区の保健省は発表している。

(英語記事 Israeli strikes on southern Gaza kill 51, says Hamas-run health ministry

提供元:https://www.bbc.com/japanese/articles/c5yjpkvvnvxo


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