米軍は4日、イエメンを拠点とする武装組織フーシ派の拠点15カ所を攻撃したと発表した。フーシ派はイランの支援を受けている。
米国防総省は、「航行の自由を守る」ために航空機と軍艦から攻撃したと説明した。
首都サナアなどイエメンのいくつかの主要都市で、複数の爆発が報告された。
フーシ派は昨年11月以降、イエメン沖の紅海を航行する船舶約100隻に攻撃を仕掛け、2隻を沈没させている。
フーシ派はこうした攻撃について、イスラエルがパレスチナのガザ地区で、同様にイランから支援を受けているイスラム組織ハマスに対する軍事作戦を展開していることへの報復だとしている。
中東における米軍の作戦を監督する中央軍司令部は、空爆はフーシ派の武器システムや基地、そのほかの設備を標的にしたものだと説明した。
フーシ派系メディアは、首都サナアなど複数都市が攻撃を受けたと報じている。
フーシ派は9月30日、イエメン上空で米製ドローン(無人機)「MQ9リーパー」1機を撃墜したと発表した。米軍も、無人航空機1機を失ったことを認めた。
米国防総省は先週、フーシ派が同地域で展開する米海軍の船舶に「複合攻撃」を仕掛けたとしていた。発射された兵器はすべて撃墜されたという。
サナアはイエメンの紛争当事者間の戦闘がほぼ沈静化してから、この2年間は爆撃を免れていた。
フーシ派は紅海上の船舶への攻撃に加えて、イスラエルに向けて直接ミサイルやドローンを発射している。
7月にはイエメンから発射されたドローンがイスラエル・テルアヴィヴに着弾し、1人が死亡、10人が負傷した。
先月にはイスラエルの主要空港などを狙ったミサイル攻撃があった。
イスラエルはいずれの攻撃でも、イエメン国内のフーシ派拠点へ報復攻撃を実施した。
アメリカやイギリスなど14カ国は今年初め、フーシ派から紅海の航路を保護する「プロスペリティ・ガーディアン(繁栄の守護者)」作戦を開始した。
フーシ派は、レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラやガザのハマスなど、イランが支援する中東の武装集団ネットワークの一部。
(英語記事 US warships and planes strike Houthi targets in Yemen)