ロシアの裁判所は7日、ウクライナ軍の雇い兵として戦闘行為をしたとして、72歳のアメリカ人男性に禁錮6年10カ月の判決を言い渡した。
ロシア検察によると、スティーヴン・ジェイムズ・ハバードさんはロシアがウクライナ全面侵攻を開始した直後の2022年4月、ロシア軍に捕らえられた。ハバードさんは当時、ウクライナ東部の街イジュームを拠点とする防衛部隊に所属していたという。
検事総長は声明でハバードさんについて、ウクライナ側について戦争に参加することで「系統的に現物支給を受けていた」とした。
米ミシガン州出身のハバードさんは先週、罪を認めたと、ロシア国営メディアは伝えている。
しかし、ハバードさんのきょうだいのパトリシア・フォックスさんはロイター通信に対し、ハバードさんはロシア寄りの考えを持っており、72歳という年齢で武器を取る可能性は低いと語った。
「彼はすごく非軍事的だ」、「銃を手に取ったり、銃を所有したり、そういうことをしたことは一度もない。(中略)むしろ平和主義者だ」。
フォックスさんによると、ハバードさんは2014年にウクライナに移住し、一時は女性と暮らしたこともあった。わずかな年金で生計を立てていたという。ハバードさんは後にパートナーと別れたが、その後もウクライナでの生活を続けていたという。
ハバードさんがロシア軍に拘束されたのは2022年のことだが、この件が公になったのは、今年9月にモスクワで裁判が始まってからだった。
ロシア当局が公開した動画には、7日に出廷したハバードさんが映っている。ガラス張りの被告人席の中にいて、歩行に問題があるように見える。
ロシア軍はウクライナ侵攻を開始して間もなく、東部イジュームを占領した。街は2022年秋にウクライナ軍によって解放された。
ロシアでは7日、別のアメリカ人に対しても判決が言い渡された。暴行事件ですでに服役中の元米海兵隊員のロバート・ギルマンさんは、刑務官を暴行したとして、禁錮7年1カ月の判決を受けた。
現在、少なくとも10人のアメリカ人がロシアで収監されている。8月にロシアと西側諸国の間で行われた囚人交換では、何人かのアメリカ人が釈放された。
(英語記事 Russia sentences 72-year-old American to jail on mercenary charges)