田部康喜のTV読本

2014年3月5日

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田部康喜 (たべ・こうき)

コラムニスト

福島県会津若松市生まれ。幼少時代から大学卒業まで、仙台市で暮らす。朝日新聞記者、朝日ジャーナル編集部員、論説委員などを経て、ソフトバンク広報室長に就任。社内ベンチャーで電子配信会社を設立、取締役会長。2012年春に独立、シンクタンク代表。2015年10月から東日本国際大学客員教授として地域振興政策を研究、同大・地域振興戦略研究所副所長を兼務。

 千晶と高校生の光彦の関係は、両家の主人同士が話し合って、別れさせることになる。光彦は青森に移り住む。

震災後の緊張した社会の中で
噴き出す感情

 西郷良介(中井)と浜口克己(柳葉)のふたりが、中学校の少年時代に起きた出来事が明らかになる。転校生だった西郷は、浜口とその仲間と遊んでいてもいじめと感じていた。「死ぬことを考えた」という。浜口は西郷が手引きした不良の高校生に殴られた記憶を引きずっている。

 狭い地域のなかでは、過去の感情を押し殺して生きるのが処世訓というものだ。

 震災後の緊張した社会はそうした、感情を押し殺していたくびきをも、もろいものにしてしまって、感情が噴き出すのである。

 ふたりは、浜口吉也(橋爪)の提案で、互いに平手打ちを1回ずつ相手の顔に見舞うことで、和解に至る。

 物語のラストシーンは、まもなく震災から3周年を迎えようとしている海辺である。吉也を無理やり車に乗せて、西郷良介は彼の家があった場所に連れていく。

 そこには、千晶と青森に移り住んだ光彦もいて、ふたつの生き残った家族が集う形となる。土台だけになった家の片隅に花束が置かれ、吉也は手を合わせながら泣き崩れる。その肩を奈美(吉行)が「ハグ」するのであった。


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