産地側とすれば主食用米の価格が高騰しているため、生産者の手取りを考えると加工用米の価格を値上げしなければ作付けするメリットがないので当然の判断だ。一方、コメ加工食品業界にとっては、これまでの仕入れ価格の2倍という水準はとても受け入れられる価格ではない。全国に600店舗を展開する大手外食企業は、当初の見積もりよりもコメ仕入れ代金が10億円も上振れしたことから、企業経営を圧迫する大問題になっている。
もち米についても中国産もち米やカリフォルニアで生産されるカル糯(もち)といった外国産もち米の輸入を国に要請する動きもある。結局のところコメ加工食品業界も“国産米離れ”を加速させることになっている。
農政転換しなければ「令和のコメ騒動」はおさまらない
「令和のコメ騒動」はまだ収まっておらず、令和7年(25年)産米が出回っても価格の乱高下が続くと予想される。この原因は現在の歪んだコメ政策にあり、コメ減らし政策を続けるかぎり混乱は収まらないどころか近い将来本当にコメが手に入らなくなる。
こうした混乱を終息させるには「買戻し条件付き政府備蓄米売却」といった姑息な手段ではなく、コメ減らし政策を大転換して「コメ増産政策」に切り替え、価格は市場に任せ、自由に取引が出来る公平でオープンな現物市場とリスクヘッジ可能な先物清算市場を整備して産業インフラとして活用する一方、生産者の所得は国が補償して安定的に持続可能なコメ生産が出来るようにすることが早急に求められている。