2024年12月22日(日)

お花畑の農業論にモノ申す

2024年9月19日

 スーパーのコメ売り場からコメが消えた「令和のコメ騒動」。2024(令和6年)産の新米が出回り始め、ようやく売り棚にコメが並び始めた。

スーパーからコメが消えた「令和の米騒動」は新米の普及で回復しつつあるとされるが…(2024年07月25日、時事)

 農林水産省はこの騒動ともいえる現象について、インバウンド需要の盛り上がりや南海トラフ地震注意報が発令されたことにより消費者がコメの買いだめに走ったことを原因にあげているが、コメ不足懸念は23年産米の収穫が終わった直後の昨年11月から出始め、当時からコメ加工食品業界団体が解消を訴えていた。その後に開催された農林水産相の諮問機関である食料・農業・農村政策審議会の食糧部会でも大手卸やコンビニベンダーなどからコメ需給がひっ迫するのではないかと懸念が述べられていたが、農水省は全く対策を講じなかった。

 対策らしいものを講じたのは政府備蓄米のうち古古古米にあたる20年産米わずか1万トンを、米菓、味噌、焼酎など向けにコメ加工食品業界へ入札売却することを今年8月に決めたぐらいである。

 コメ不足騒動は一過性の問題ではない。その背景には長年にわたるコメ減らし政策が続けられ、かつ、流通までもが規制されるという歪んだ政策により、生産現場が衰退していることが最大の原因だ。

 現在の政策を続けていると再びコメ騒動が起きると断言できる。その時は取り返しのつかない事態になり、それを回避するためには今すぐにでもコメ政策を大転換する必要がある。


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