2025年4月3日(木)

お花畑の農業論にモノ申す

2025年2月25日

 集荷数量が減るということは卸業者等への年間販売数量を示せなくなるほか、価格決定権も失うことを意味する。危機感を強めた全農系統は政府備蓄米を買い受けてそれを随意契約で大手卸に販売することによって再度支配権を戻すことが出来る。

関税支払いの外国産米輸入の増加

 政府備蓄米売却はそうした政治的な意味合いを含んでいるが、政治的意味合いと言えば、最も大きな出来事は1㎏当たり341円の関税を支払って外国産米を輸入できる環境が生まれたことにある。

 外国産米の輸入に関しては、毎年9月以降に年間最大10万t強の枠でSBSの入札会が行われているが、外国産米を多く取り扱っている卸は、昨年末に第4回目が終了した段階で「すでにSBS制度ではない関税を支払って外国産米を輸入するところが出て来る」と明言していた。それは第4回目のSBS入札では、輸入枠2万5000tに対して3倍を超える応札があり、売渡価格と輸入価格の差額(マークアップ)上限の1㎏292円に張り付いて全量落札されたことによる。

 この時、日本米に近い台湾産ジャポニカ種の買入価格(CIF価格:日本国内港渡し価格)は1㎏193円であった。これにマークアップ上限の1kg292円を加算してコメ卸に1kg485円で売り渡された。

 袋詰め経費や運送料などをかけてマージンを加算しても、スーパー店頭で5kg当たり3000円以下で販売できることになる。実際、いち早く販売を開始したスーパーでは5kg2750円で販売した。1㎏341円の関税を支払っても卸の仕入れコストは534円になり、諸経費込めても5kg3000円程度で販売でき、国産米より安い価格を設定できる。

 世界各国のコメを販売している卸には、著名な大手外食企業やスーパーに総菜を提供している中食業者のみならず、店頭販売したいという食品スーパー等からの問い合わせが急増しているという。そうした関税支払いの外国産米がどの程度輸入されるかについては具体的な数量までは見通せないとしているが、少なくても4月から国内に陸揚げされる数量は数万トン単位になるものと予想している。

 おそらく4月ごろからは今まで外国産米を使ったことがなかった著名な外食企業でも「外国産米使用」という表示を掲げるところが多く出てきそうだ。

加工食品業界にも影響

 外国産米を使用するのは外食・中食企業だけでなく、コメを原料とする冷凍米飯やパックご飯、米菓、味噌などコメ加工食品業界も少しでも価格の安い外国産米を使おうとすることが予想される。この背景には、コメ加工食品業界が今、令和7年(25年)産加工用米の価格が大幅に値上がりすることを懸念していることにある。

 加工用米はコメの制度上は転作作物扱いで、加工用米を生産すると10アール(a)当たり最低でも2万円の助成金が支給される。この他、自治体の判断によって助成金が加算されるところもあり、令和6年(24年)産米では60キロ当たり1万円台前半で購入出来た。

 それが令和7年(25年)産では産地側は最低でも2万円以上でなければ契約に応じないという状況になってしまった。実際、加工用もち米は2万2000円で事前契約が交渉されているところもある。


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